タグ: 小説

01
12月
2020

【小説 気高く羽織るは化けの皮】作者、帆船ハッカ

・ 慶長五年八月十五日 南部領稗貫 雄山寺     少々肌寒さが出てきた、穏やかな日和である。 その老人は、落成して間もない寺を参詣する人波を、端でぼんやりと眺めていた。 背は高いがぴんと伸びている。…

24
11月
2020

【小説 宗家の女と男たち】作者、帆船ハッカ

・ その日、とある平原の小高い丘に、ひとりの男がいた。 芦毛の馬に乗った武士だ。二十の若臭さはとうに抜けきり、三十にほど近いか。調練の後なのか、その顔は汗だくで、軽く着付けた帷子からは、うっすらと湯気が立ち上っていた。 …

23
11月
2020

【小説 津軽藩起始 六羽川編】第六章 津軽為信、出陣する 天正七年(1579)旧暦七月七日

https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第五章←← 旧拠 大光寺へ 6-1 狂い  安東軍の先遣隊千五百は蔵くら舘だてを落ち着かせたのち、旧暦七月一日に宿河原しゅ…

10
11月
2020

【小説 津軽藩起始 六羽川編】第五章 開戦。安東軍侵攻 天正七年(1579)旧暦六月下旬

https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第四章←← 多田の思惑 5-1 侵攻開始 “ニオイシダ”を踏みつける。  安東軍は旧暦六月二五日早朝に大館おおだての扇田お…

31
10月
2020

【小説 津軽藩起始 六羽川編】第四章 津軽為信、和平を探る 天正七年(1579)田植前

https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第三章←← 避けるために 4-1 氷開き 岩木山の周辺には、“氷開き”という文化があったという。地中深く大きな氷を藁に包ん…

21
10月
2020

【小説 津軽藩起始 六羽川編】第三章 安東愛季、津軽征討を決断する 天正七年(1579)雪解

https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第二章←← 堤氏復帰 3-1 滝本出奔 奥瀬おくせ氏の事に関しては菩提ぼだいのある浄じょう満まん寺に残っているかと思いきや…

11
10月
2020

【小説 津軽藩起始 六羽川編】第二章 滝本重行、外ヶ浜より追放される 天正七年(1579)正月

https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第一章←← 次の標的 2-1 新天地  しばらくして……外そとヶ浜がはまに残った浪岡衆は荷造りの準備を始めた。油川の北畠仮…

30
9月
2020

【小説 津軽藩起始 六羽川編】第一章 北畠残党、秋田へ向かう 天正六年(1578)晩秋

https://aomori-join.com/2020/03/01/tsugaruhanizen/ https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→序章 水木…

29
9月
2020

【小説 津軽藩起始 六羽川編】序章 水木御所成立 天正六年(1578)秋

https://aomori-join.com/2020/03/01/tsugaruhanizen/ https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→【小説 津…

28
9月
2020

【小説 津軽藩起始 浪岡編】エピローグ 

https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→最終章←←   長い空白の後。多田は利顕の思いやりの心へさらに感じるところがあったようで、さらに喚くは…

17
9月
2020

【小説 津軽藩起始 浪岡編】最終章  水木御所成立 天正六年(1578)秋

https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→第九章へ←← いざ立たん 10-1 由来 事は落着したか。いや、おさまらぬ拠点があった。 ・ 水谷氏の水木館はい…

07
9月
2020

【小説 津軽藩起始 浪岡編】第九章  水谷利実凶死 天正六年(1578)晩夏 旧暦七月六日

https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→第八章へ←← 顕範の血 9-1 諦め 進んだ時を戻し旧暦七月三日夜、あの浪岡御所が落ちた日。 敗軍の将である北畠…