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・ 慶長五年八月十五日 南部領稗貫 雄山寺 少々肌寒さが出てきた、穏やかな日和である。 その老人は、落成して間もない寺を参詣する人波を、端でぼんやりと眺めていた。 背は高いがぴんと伸びている。…
・ その日、とある平原の小高い丘に、ひとりの男がいた。 芦毛の馬に乗った武士だ。二十の若臭さはとうに抜けきり、三十にほど近いか。調練の後なのか、その顔は汗だくで、軽く着付けた帷子からは、うっすらと湯気が立ち上っていた。 …
https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第五章←← 旧拠 大光寺へ 6-1 狂い 安東軍の先遣隊千五百は蔵くら舘だてを落ち着かせたのち、旧暦七月一日に宿河原しゅ…
https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第四章←← 多田の思惑 5-1 侵攻開始 “ニオイシダ”を踏みつける。 安東軍は旧暦六月二五日早朝に大館おおだての扇田お…
https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第三章←← 避けるために 4-1 氷開き 岩木山の周辺には、“氷開き”という文化があったという。地中深く大きな氷を藁に包ん…
https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第二章←← 堤氏復帰 3-1 滝本出奔 奥瀬おくせ氏の事に関しては菩提ぼだいのある浄じょう満まん寺に残っているかと思いきや…
https://aomori-join.com/2020/09/29/rokuwagawa/ →→第一章←← 次の標的 2-1 新天地 しばらくして……外そとヶ浜がはまに残った浪岡衆は荷造りの準備を始めた。油川の北畠仮…
https://aomori-join.com/2020/03/01/tsugaruhanizen/ https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→序章 水木…
https://aomori-join.com/2020/03/01/tsugaruhanizen/ https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→【小説 津…
https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→最終章←← 長い空白の後。多田は利顕の思いやりの心へさらに感じるところがあったようで、さらに喚くは…
https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→第九章へ←← いざ立たん 10-1 由来 事は落着したか。いや、おさまらぬ拠点があった。 ・ 水谷氏の水木館はい…
https://aomori-join.com/2020/06/16/tsugaruhankishi/ →→第八章へ←← 顕範の血 9-1 諦め 進んだ時を戻し旧暦七月三日夜、あの浪岡御所が落ちた日。 敗軍の将である北畠…