Contents
https://aomori-join.com/2021/06/03/nebuta3/
アオモリコネクト特派員のかんからです。
みなさんもご存知の通り、去年12月28日にGOTOトラベルは停止されました。
果たしてGOTOが実施されていた12月と、完全に止まってしまった1月とで、どのような差異が見られるでしょうか?感覚的に “こうだろうな~” と思っていることがあっても、データに基づいて考えてみると、あらたなる青森県の実像に気づかされます。
https://aomori-join.com/2021/05/09/nebuta2/
**参考資料**
↓↓去年2020年までのデータはこちら↓↓
https://aomori-join.com/2021/01/07/hitoiri/
コロナ禍における青森県内の経過、地域による状況の違い等。
12月と1月の比較、GOTOを止めた結果。
・
影響が一番大きかったのは青森市で、先月に比べ42%減。
弘前市は16%減、八戸市22%減、むつ市14%減ですので、明らかに差異があります。逆になぜ弘前市やむつ市はこれくらいで収まっているのか?謎が深まります。
20年1月と21年1月の比較、コロナ禍の影響。
こちらは前年同月の比較です。GOTOの政策抜きに、純粋にコロナ禍の影響を見ることが出来る図表といえるでしょう。
やはりというか、なんというか……青森市がとことん弱い結果となっています。なぜ他地域と比べ、青森市の減り幅が大きいのか?半減してしまう事態になぜ陥ってしまうのでしょう。
19年と20年の経時的比較。
八戸市を例に出すと、青森県内で初の感染者が出たにも関わらず、実はその影響は他地域と比べて穏やかでした。スペインへのツアー客を中心に感染が広がったものの、弘前と同様 宿泊者数10000人を下回ることはありませんでした。一方で青森市は10000人を大きく下回り、20年5月は2418人を記録しています。パーセンテージに直すと、青森市の3月は前年の58.2%、4月は11.9%、5月は8.6%です。
なぜ青森市は他地域よりも、こんなまでにコロナ禍の影響を受けやすいのでしょうか?
弘前市やむつ市を見ても、青森市ほど減ってはいないのです……。
青森市は県外客と観光客が多めで、影響受けやすい?
(小規模のアンケート調査のため、累計は少なく出ています)
・
青森県内において県外からの宿泊客は全体の66%、県内の宿泊客は27%をこの数値は観光向けのホテルであれば県外客が70%~80%と上振れを起こすでしょうし、中心街にあるようなビジネスホテルであれば県内客が30%~40%と増加すると推測されます。県内客の主体はビジネス目的が多くなるという事もわかりました。
そういえばですけど、かつてインバウンド需要なんちゃらと国を挙げて騒いでいましたが、青森県に宿泊する訪日外国人は2019年で全体の7%を占めています。これは果たして多いのか少ないのか?もちろんコロナ禍によって、これらはほぼ全て消えてなくなりました。
・
身分証不提示青森のホテルで宿泊拒否/中国人留学生不快 – 华人感闻 – 小春论坛 – 小春 (incnjp.com)
再びインバウンド需要が起こる日のために、こういう事件はあってはなりませんね。
・
・
このコロナ禍においては、不要不急の行動は控える必要があります。人によってその捕らえ方に差はありつつも、やはり観光目的の宿泊者は減るのは明白です。案の定、観光向けのホテルは大打撃を受けました。
青森国際ホテル破産 負債16億円、コロナが拍車 | 河北新報オンラインニュース (kahoku.co.jp)
・
ビジネス関係者にも影響はあり、結果としてZOOMなどのネットを介した新しい手法が広まりましたが、やはり人が移動しないと出来ない業務もあります。ですので観光目的と比べれば、ビジネス目的の減り幅は少ないはず……(あくまで推測ですが)。
青森市は県庁所在地であり、県のちょうど中心に位置しています。青森県全体を楽しむうえでベストポジションといえるのではないでしょうか?青森県はどこの地域にも見るべき観光資源はたくさんありますが……まず県外の人からすれば、まず最初に考える宿泊の候補地に青森市が入るはずです。
仮説として
青森市は観光客と県外客が他地域よりも割合が多め。だからこそ移動が推奨されないコロナ禍において、宿泊客が激減したのではないか?
と考えました。
実は近場だけで、経済を回せる?
・
上の図表は2019年に行われた、青森県内の観光施設にアンケート調査を行った結果です。
これによると観光施設に訪れた県内客は全体の38.4%を占めるといいます。これに関しては宿泊のみならず県内の日帰り客も含みますので、県内客宿泊者の27%より上振れするのは当然でしょう。
・
県外客と言っても岩手秋田などの近場の人と、東京大阪などの地域とは大きく意味合いが違ってきます。コロナ禍では『県境を越えての移動は~』という言葉も登場したほどで、今でも緊急事態宣言下の地域からの移動は推奨されていません。
県外客は旅行客全体で61.6%を占め、うち北海道・東北地域の38.5%を考慮に入れると、北海道・東北地域から青森県内に来ている方々の割合は23.7%。県内から出ずに旅行している38.4%を併せると、62.1%の方々が県内を含む近隣地域からの旅行客です。
6割という事であれば、けっこう近場同士で経済を回せる気がしませんか?
自然と芸術は、コロナに強い。
統計を取っている青森県内35の観光施設の内、2つの施設だけが、1月に入込客数が増えたんです。それは青森県立美術館と白神山地ビジターセンターです。他の施設は客足が激減しているというのに……。
白神山地ビジターセンター|世界自然遺産 白神山地 (shirakami-visitor.jp)
もちろんコロナ禍において影響を受けてきた施設ですが、なぜここにきて客足を維持できたのでしょうか?白神山地ビジターセンターに対して初め感じたことと言えば『よく寒い冬に、山に登る気になるなー』ってところですが(苦笑)
誰もいない山だからこそ、コロナは関係ないともいえますね!
芸術も同じことが言えまして、見入っている時は誰も口を開けないじゃないですか。説明を受けるときも淡々と済みますし、コロナ禍で避けなければならない三密も回避できている場所といえるでしょう。元より芸術品管理という観点から、室内の空気の調整はバッチしです!
でもある意味で、芸術が……荒んだ心を癒してくれるということに気づいたからでしょうか?