6月の青森市宿泊施設入込客数も2019年超え。
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青森にやって来る宿泊者数に限らず、下記で紹介している通り県内での人流も去年より増大させている。3カ月連続でかつてない高水準のデータが出されたのは観光振興策の成功といえる。しかし一方で “観光客を増やす” ということのみ主眼を向いているせいで、コロナ感染者数が増えた際のブレーキの役目が想定されていない。
一定数の観光客は県内の経済活動を維持するうえで必要不可欠であり、そして22年4~6月中に桜祭りやフェスティバルが行われつつ感染者数を増大させたわけではありません。(実は祭りによって増えた可能性もあるが、明確にデータから導き出すことは出来ない)
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ブレーキの役目を考えるのであれば、例えば青森市であれば否応なくアクセルを踏んで観光客を増やすのではなく、2019年平均ラインの2.5万~3万人をターゲットとして設定するのが良いのかなと考えます。そのラインを超えるようであれば観光振興策を続けるにせよ、例えば宿泊の多い金曜土曜に政策を適応しない、サービス内容の変化等、一か月ごとに評価して政策を変えていく態度が必要です。これには宿泊施設側の業務上の協力も不可欠ですが、過剰な人流を予め抑制することができます。
ひたすらアクセルを踏み続ける態度を行政機関が取り続ければ、気の緩みだったり全体のムードがあたかもコロナ禍が終ったかのような行動へと繋がります。未然に感染拡大を防ごうとする手綱こそが、最終的に経済の崩壊を防ぐことになるのではないでしょうか。
https://aomori-join.com/2022/08/08/nebuta-hoteru-nedan/
以下、22/07/11(月)時点の記事
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アオモリコネクト特派員のかんからです。
最近用事が多くて、けっこう泊まることとか多いんですけど
普段であれば直前でも空きがあるホテルが満室だったり、金曜土曜であれば一週間前に予約取ろうとすると手遅れだったりするわけです!祭りの時期ではないのに……人が来すぎじゃないですかね?コロナ禍前でもこんなことはなかったのに。と思ってじゃあ平日はどうだろうと思って見てみると、満室とはいかないまでもやっぱり部屋数は少ない。
なんかこれまでとは違う事態が起きているような、そんな気がしました。ある意味でコロナ第7波が襲う前に用事を済ませてしまおうだとか、県民割などでいつもよりお安くホテルに泊まれるっていうお得感もあります。ホテルによってはクーポンやら商品券が付いて実質料金タダというところまで!
それじゃあこうなりますよね~。
4月5月の青森市宿泊客数は2019年超え
月例観光統計について|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government
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最新のデータによると青森市5月宿泊施設入込客数は2019年と比べて6696人プラスの34870人となりました。4月も3005人プラスの28555人を記録。あくまでこれは市内11施設からの情報ですので、全ての宿泊施設を網羅しているわけではありません。ですがこの統計データはコロナ禍以前の客足が戻ったことを示すには十分です!
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過去のデータと比較してみても、2022年の宿泊者数が往時に戻ったことがハッキリとわかります。ちなみに2019年が他の年と比べてなぜ宿泊客数が少ないかというと、消費税増税による景気悪化や公共工事終了が要因です。
青森県全体でも観光客が増加中
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宿泊客数は青森県全体から見ると2019年超えは達成できていませんが、それに迫る勢いを確かめることは出来ます。おそらくはまだ情報として公開されていない2022年6月分も同じ傾向かと思われます。観光施設への入館者数も増加の一途をたどっており、現在行われている諸々のキャンペーンが続くのなら、基本的に宿泊客数と同じ動線を辿ることでしょう。
泊まって応援、ゆったり安心 青森県おでかけキャンペーン<青森県・北海道・岩手県・秋田県・宮城県・山形県・福島県居住者限定> (aomori-trip.jp)
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市内にある全宿泊施設の合算ではないので、参考値としてご覧ください。青森11、弘前17、八戸17、むつ9施設合計。
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むつ市に関しては昨年発生した集中豪雨に伴う災害の復旧のため、2021年8月から次第に多くの土木業者や建築業者が宿泊することとなりました。なので10月には既に2019年超えを達成するに至り、宿泊客の多い傾向は今日まで続いています。その宿泊客の多くが業者だと分かる理由として、当地の観光施設である安渡館の入込客数が思ったより伸びが低く、観光目的の宿泊は少ないことが窺えるからです。
https://aomori-join.com/2021/12/17/koronani-utikatta/
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今年の #弘前さくら は無事に終わる
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今年の弘前さくらまつりは無事に開催され、人流も2019年比で1.37倍を記録するに至りました。これは正月時の1.49倍に匹敵する数値ではありますが、かつてのような新型コロナウイルス感染拡大は起きておりません。それは三密を避ける等の感染対策や人々の意識の違いもあったかもしれませんが、発生する時と発生しない時の違いを考えると……”未知との戦い” をやってるんだなと改めて実感させられます。
それを言えば(データ上は)2020年のお盆や2021年初の正月も実は帰省客が多かったとみて取れますが、青森県内では感染拡大に至っておりません。初期の頃はウイルスの感染力の弱さやその感染者数自体の母数が少なかったことも感染を阻んだ原因だと思いますが、じゃあ今回の弘前さくらは?と問われると、ある意味で過去を反省しあい、みんな一丸となって感染防止に取り組んだ結果なのかもしれませんね。
かつて青森県内においてウイルスの因子はなく、感染の多くは県外から持ち込まれたモノが起因でした。しかし今は県内にしっかり根付いてしまい、自発的に感染拡大しうる状況が整っています。なので決して観光客数がコロナ感染の広がり具合を占う指標というわけではありませんが、相対的な人流を示す指標であることには変わりありません。
でも仮に観光客が増えたとしても “自ら気を付ける” という意識をしっかり持ち行動すれば、観光客を多く招いてもそれが “引き金” にはなりずらいのが証明されつつあります。それはなぜかというと宿泊客はお盆正月の帰省客と比べると現地の方との接触機会は短く、実は感染リスクは低いからです。お盆や正月などの帰省客のほうがホテルや旅館ではなく実家に泊まるでしょうし友達とも遊ぶともなれば、他の人と同じ空間にいる機会が長く感染リスクは相対的に高いのです。
それは2021年12月青森県宿泊入込客数が12月のみの月別で過去最高を記録したものの、これ自体が感染拡大の原因となっていないことからも分かります。
https://aomori-join.com/2022/02/18/corona-jinryu-syukuhaku/
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青森県にやってくる人流、もしくは県から出て行く人流にしても去年と比べれば平時に戻りつつあることは見て取れます。その傾向は今年4月から顕著であり、去年は19年と比べて半分ほどの人流だったものが、今は19年の2/3ぐらいまでその幅を戻しています。
人流自体が増加していることは、以前と比べて人と人とが会う事を控えようという意識が薄らいてきでいることを示します。接触機会の増加とともに、感染リスクは高まっていると言えるでしょう。
去年のお盆までは滞在人口の推移をみる限り、特に青森県外民の滞在人口は低下していることから考えると、帰省を控えていた人が比率的に一定数いることは分かります。ただこれは帰省者の母数自体が従来から極端に多いため、割合が減っても人流の総数自体が他期間よりも減ったわけではありませんでした。
そして今年の正月は帰省を控えること自体が無きに等しかったことも分かりました。政府や地方自治体共にそういったアナウンスもありませんでしたし、当時の社会全体が “コロナが終った” という感覚でしたので……当然の帰着かなと思われます。
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県内地域別で人流を見て行けば、平時であれば八戸地域が優位になります。それはなぜかというと(端的に言えば)県内で一番東京に近く、新幹線が通っているからです。なので “青森の玄関口” といっても過言ではないかもしれません。
先行き不透明な世の中に、どう抗うか
青森県内における新型コロナウイルス感染症の感染動向データ【令和4年7月10日現在】 – 青い森オープンデータカタログAoi Mori Open Data Catalog (aomori.lg.jp)
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もちろん感染しないに越したことは無く、一方で社会活動も成り立たせないといけません。両方に気を回さなければいけないのが政治の辛い所ですが(なのでサイトの中立を保つため、この記事を選挙の終った後で公開するんですけど)、いかに徹底した感染防止対策を取りながら経済をよくしていくか?どなたが当選しても共通する課題となります。
“新型コロナ” が未知のモノからある程度は目に見えるモノになった今、どういう対応が適切なのか?
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あたらしく政治の舞台に立たれる方々に注目するとともに、自分たちも人任せにすることなく自らの頭で考えるということも必要でしょう。その先に……時には苦渋の決断をせざるを得ないかもしれません。
まずは感染防止対策を怠らず過ごしましょう。