【2022年2月版】過去5年間の内で12月別宿泊入込客者数は最高値を記録。お盆正月の人の移動は相変わらず。換気はこまめに!#青森 #人流 #コロナ

https://aomori-join.com/2022/03/18/nebuta-hoteru-geraku/

A-join特派員のかんからです。

日本全体の感染者数を見る限りでは、下降傾向に入ったようです。でも青森のような地方部はまだこれからなのか、はたまた頂点にいるのか……まだ分からない所であります。近くに住んでる人や職場の人だったり、ありふれた日常で『感染した』との声が聞こえてくる状況__これは非現実ではなく現実世界なんだという事は、しっかりと認識しなければいけませんね。

私たちが出来ることとすれば感染対策をしっかりとして、でも精神安定の意味も込めてストレス発散には心がけてください。密にならない場所であればリスクも低いでしょうし、新型コロナにばかり目が行って他が疎かになってもいけません。

 

新型コロナウイルス 日本国内の感染者数・死者数・重症者数データ|NHK特設サイト

【速報】青森県555人コロナ感染 最多更新 2人死亡 – デーリー東北デジタル (daily-tohoku.news)

今回はニュースで報じられていないであろうトピックスを中心に取り上げていきます。コロナ禍を一つの社会現象として、実像を持って捉えてみませんか?

https://aomori-join.com/2021/12/07/covid-risk-aomori/

過去5年間の内で12月宿泊入込客者数は最高値を記録

月例観光統計について|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government

2021年12月の青森県宿泊入込客数は、12月のみの統計において過去5年間のうち最高値である171440人を記録しました。各年で出している統計の施設数が異なるため正確な比較は出来ませんが、79施設の統計だった2017年の数値を10000人以上も上回っていることを考えると、有意差はあるといえるでしょう。

なお施設数による宿泊者数のブレを補正した概数においても、公開されている過去11年間でも最高値であることには変わりありません。事実上 “過去最高” といっても差し支えないでしょう。

これは “青森県おでかけキャンペーン” に代表される、地方自治体による景気刺激策のなした結果。つまり旅行を促進させて宿泊や飲食業界に金を巡らせようという施策であり、これまで埋もれていた県内民の需要を掘り起こせたという意味で、狙い通りに成功していたといえるのではないでしょうか。

そしてコロナ第5波が収まったことにより、日本全体として再び人流が活性化したのも要因でしょう。

https://aomori-join.com/2022/01/28/mudanaku-kasikoku/

基本的に青森県内の観光客は大きく3つのタイミングを目掛けてやってきます。一つ目は桜のシーズンで、ちょうど青森での桜の開花がゴールデンウィークに当たりやすいという特徴があります。最近ではその少し前に咲いてしまうことも多くなりましたが、暖かい季節で行楽にはピッタリな頃合い。次の二つ目は何といっても祭りのシーズン。青森ねぶた祭に代表される勇猛果敢な山車は他地域に負けることなく、例年多くの観光客が青森にやってきます。県内の他地域でも三社大祭や弘前ねぷただったりと、ありとあらゆる特色をもったお祭りも見ごたえがあります。そして三つ目は紅葉シーズンで、見ごたえのある自然豊かな景色みたさに、来訪客は多い傾向にあります。

そして本来であれば冬シーズンも青森の魅力を伝える大チャンス……!といいたいところですが、例年冬季間は観光客が減少する傾向があります。なので本来であれば2021年12月も観光客が減少するのかなと見張っていた所、なんとコロナ禍前の2019年12月の宿泊入込客数を上回ってしまいました。さらに調べると他の年と比べても上回っており、今回の件が判明するに至ったわけです。

なぜこうなったのかというと、もちろん地方自治体で行われているキャンペーン等の景気刺激策もさることながら、これまでコロナ禍で抑えられていた “楽しみへの欲求” が一気に噴出したのではないでしょうか。コロナ第5波も落ち着きましたし、今のうちに色んな所へ行って楽しく過ごしたい……誰もが思ったことなのかもしれませんね。去る8月のお盆で感染者が急増したのもありますし、次の正月が来る前にやりたいことをやっておこうと。

https://aomori-join.com/2021/12/17/koronani-utikatta/

市内にある全宿泊施設の合算ではないので、参考値としてご覧ください。青森11、弘前17、八戸17、むつ9施設合計。

https://aomori-join.com/2021/09/02/hachinoheha-hirosakiwokoeta/

これまでのお盆正月すべて、実は自粛をしていなかった?

青森県 | V-RESAS

過去の記事で触れておりましたが、8月における青森県外からの人流は例年並み、今回の正月での県外からの人流は1.5倍(=補正値1.49)だったことはお伝えしてました。これが感染拡大の一因になったのは言うまでもありません。

コロナ感染と人流の相関関係 | COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクト (covid19-ai.jp)

しかし今回さらに過去のデータを調べてみたところ、2020年のお盆における県外からの人流は1.11倍、2021年正月は0.97倍だったことがわかりました。そのタイミングで隣県構成比(岩手県・秋田県・北海道)が下がっているところから見ると、遠くで暮らしている帰省客が多くを占めるのが伺い知れます。

これはお盆正月には帰りたいという “人間としての習性” を簡単に捻じ曲げることは出来ないことを証明した結果となりました。ちなみに2021年の年度末から4月にかけてのシーズンに関しては自粛出来ていたようです。それは社会的に枠組みの中で、諸々のコロナ対策が実施されたからだと思われます。例えば大学の入学式や卒業式など、中止延期もしくは形式を替えての開催となったところは多かったと聞きます。その中で子供の顔を見に行くというような、公然の場に出ることは躊躇われたのではないでしょうか。仕事の事情で新居に引っ越すにしても、それ自体が無くなったり、最低限の人数に絞られたかもしれませんね。

一方でお盆正月は遊びに行かず実家に籠ってさえしまえば、人と触れること少なく感染リスクも低いのも事実。結果として人流は例年並み以下にはなりにくい現象が起こりました。21年8月ならびに今回の正月で感染拡大が起きたのは、ひとえに基となる保因者数ならびに変異株による感染力の違いでしょう。もちろん気の緩みだったり、三密になった環境にいた方々もいたでしょう。巡りに巡って、気を付けて暮らしていても感染してしまうような事態に県内も陥っていることは……やるせない思いです。

感染拡大の原因の一つに、”雪”? 人の多さと換気不足

青森県内における新型コロナウイルス感染症の感染動向データ【令和4年2月16日現在】 – 青い森オープンデータカタログAoi Mori Open Data Catalog (aomori.lg.jp)

今回の感染爆発は弘前管内を中心にして巻き起こっているわけですが……ふと思い起こせばその前に上十三地域での感染が始まりでしたし、三沢米軍基地内での感染拡大という出来事もありました。

ABAニュース 新型コロナ 米軍三沢基地で133人 感染拡大 (aba-net.com)

僕の記事を読んでくださっている方々にとりましては、これまで青森・八戸・弘前・むつの4地点を軸に記事を作って参りました。しかし上十三での動向もやはり欠かせないという事で、今回の記事では取り上げてみたいと思います。

12月第4週:12/20~12/26、12月第5週:12/27~1/2、1月第1週:1/3~1/9

https://aomori-join.com/2022/01/25/corona-jinryu-keizai

以前の記事に上十三と西北五を加えたデータがこちらです。4地点での比較ですと津軽地域が最高の1.57倍だったのですが、6地点では上十三が最高の1.82倍を示しています。この点を前回の1月号でお伝えできればよかったなと悔やまれます。大変申し訳ございません。

しかしこうして見ると、単純に人流の一番高い地域が感染拡大を引き起こしているわけではありません。初期の段階で上十三で感染拡大していたのは事実だとしても、その後で感染爆発したのは津軽地域です。成人式を含む1月第1週が1.12倍を示している点でいえば、長期に渡り過度な人流にさらされていた地域という事はいえます。

12月第4週:12/20~12/26、12月第5週:12/27~1/2、1月第1週:1/3~1/9

このグラフからは、津軽から外に向けて一番移動していないことがわかります。津軽の0.75倍を筆頭に、西北五の0.87倍、青森の0.91倍と県内でも西側の地域が軒並み少ない値を示しています。なぜそのような結果になったのでしょうか。

気象庁|過去の気象データ検索 (jma.go.jp)

もちろん人流移動が少ない点において、感染のリスクを気にかけていたとも言えます。一方で(他の読者様から指摘を受けて気づかされましたけど)、大雪への対応で外出する余裕がなかったのも要因なのではないでしょうか。特に人流のデータは2019年を基準に構成されておりますので、19年に降雪が少なかったのであれば、その分だけ同年での人の移動は多かったと考えられます。

そこで降雪量を比較してみると……差は歴然でした。これほどまでに違いがあったなんて。

個人的な結論としては、津軽地域に入ってくる人が多く、かつ長期にそれが続いた。かつ同地域から出て行く人は少なく、同地域は他の地域よりも比べて人が多くいる状態が作られてしまった。感染リスクの非常に高い地域はこうして作られたのでしょうね。

そして雪が多いと、家や職場での換気不足になりがちではないでしょうか?空気が滞ると、それも感染リスクを上げる一つの要因となります。ただし雪が多すぎると、窓自体が明かなくなるというイレギュラーも起こり得ますから……困りものです。

厳しい寒さ コロナ感染対策「換気」はどうする?ポイントは? | 新型コロナウイルス | NHKニュース

寒い中での“換気”高齢者施設での感染対策は…(日テレNEWS) – Yahoo!ニュース

冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法 (mhlw.go.jp)

感染症対策の目安として注目されているキーワードが『必要換気量』です。
必要換気量とは、室内の空気を衛生的に保つために、最低限換気しなければいけない空気の量のこと。でも、あまり聞きなれない言葉です。具体的に『必要換気量』とは何なのか、ひもといていきましょう。

必要換気量とは?二酸化炭素濃度を指標としたコロナ対策 | 株式会社テラモト (teramoto.co.jp)

これからも三密回避&換気に注意しつつ頑張りましょう

 

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリジョイン 。

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