【2021年12月版】コロナが収まっている今だからこそ、これまでのことを復習し、現状を把握しよう。#青森 #コロナ #人流

https://aomori-join.com/2022/01/25/corona-jinryu-keizai/

A-join特派員のかんからです。

今でこそ新型コロナは収まってますけど、世界では依然として猛威を振るったまま。この静けさは嵐の前だからなのか、はたまた日本だけ静まったままで今後も続くのか。それは誰にもわかりません。

ただしコロナが沈静化された主因の一つとして、みなさんが感染防止対策に協力した成果だと思いたい自分がいます。自分の今の生活を振り返り『まだ不安だな……』と思われる方は、しっかりと三密を避けて、最新の情報を取り入れてしっかりと対策をなさってください。

https://aomori-join.com/2021/12/17/koronani-utikatta/

今後起こり得る #リスク を考える

第1波~第5波 感染者数グラフ(全期間を1画面表示)|NHK

新型コロナの感染者数はこれまで増減を繰り返してきたわけですが、ちょうど油断した頃に激増していったのが定番でした。最初の2020年であればお盆の帰省は自粛され、感染者も結果としてそんなに・・・・増えませんでした。ここで “そんなに” という言葉を付けましたけど、何もかも過ぎ去った後に見るデータからすると、2020年の感染者数のレベルは2021年ほど多くありません……。

まず激増したタイミングとして挙げられるのは2021年の正月4月5月、そして7月からお盆の時期です。一般的に感染が増加した原因として言われるのは歓送迎会での油断と、帰省による人流増加(それに加えて普段合わない人との接触や気のゆるみに伴う行動の変化)。その点で考えると青森県内に今年のお盆で帰ってきた人数は2019年並みだったというデータもありますし、感染の収まっている現状もありますし、おそらく2022年正月の帰省者数は例年並みかそれ以上になるものと思われます。(ちなみにお盆に青森県内から県外に帰省した人数でも、お盆によるある程度の変動は見られました)

https://aomori-join.com/2021/09/02/hachinoheha-hirosakiwokoeta/

ただそこにコロナの因子が入り込まなければ、感染爆発が起こることはありません。また帰省をしたとしても当人が因子を持っていない、または外部との接触を極力避ければ感染リスクは極めて低くなるのも事実です。ワクチン接種が十分に広まった今、帰省するかしないかの判断は、個々人に委ねられるところが大きいような気がします。

あとは……感染者が激増したとき、楽しみにしてた予定を中止できる勇気は必要かと。そこは臨機応変に行きましょう。

8月第1週:8/2~8/8、8月第2週:8/9~8/15、8月第3週:8/16~8/22。お盆は8/13~8/16 青森県 | V-RESAS

統計データから、いまを読み解く

市内にある全宿泊施設の合算ではないので、参考値としてご覧ください。青森11、弘前17、八戸17、むつ9施設合計。

 

上記のデータは青森県庁で出されている月例観光統計でご確認いただけます。入込客数のデータは、地域の人流をあらわす一つの要素として利用します。

基本的に青森県は夏のお祭りシーズンに宿泊客が多く、冬は逆に少ない傾向にあります。平常時において県外からの宿泊客は全体の2~3割を占め、ビジネスホテルでは3~4割を占めます(僕自身が宿泊業界にいた知見を含む)。そしてコロナにより青森市が他市よりも大きな影響を受けたことを考えると、青森市における観光目的&県外客のウェートは他市に比べて高いことが窺えます。ということは八戸弘前は普段からビジネス目的での宿泊が多いという事もわかります。確かに県内からの宿泊客を見ると、ビジネス目的は県外客よりも多いようです。これらのデータは青森県観光入込客統計で確認できます。

一般的に観光ではなくビジネスでの人流は、感染のリスクが相対的に低いとされています。

 

ちなみに2019年の観光施設における入込客数構成は、以下のようになっています。

同じく青森県観光入込客統計より確認できます。

 

外的起因と内的起因を考える

青森県 | V-RESAS  上のグラフは実数、下のグラフは比率なのでご注意を。

外的起因:人流の増加により、コロナの因子が紛れ込んだことによってもたらされる感染が、大規模感染の発端

内的起因:人流は特に関係なく、歓送迎会等の三密になった場で発生する感染が、大規模感染の発端

感染拡大が起こる原因として #人流 がよく語られますが、その人流の中にコロナの因子さえ入らなければ感染は起こりようがありません。2020年のGOTOトラベルは5カ月にも及ぶ長い期間行われましたけど、結果として2021年のような感染拡大は起こしていません。そこには例えばデルタ株に切り替わったことによる感染力の違いが影響しているともいいます。

https://aomori-join.com/2021/01/07/hitoiri/

GOTOの初期の方で明らかな感染拡大が起こらなかったのは、コロナの因子が極端に少ない状態だったのでしょうね。。。それは正しく今(=2021年12月上旬)のような。V-RESASのグラフから言えば、当時の予約代表者数において県内居住者の2019年との比は相当高まっていたし、GOTOの他に県内向けキャンペーンや地方自治体独自で行った施策によって、普段旅行しないであろう層の需要もかなり惹起されたことも窺えます。では県内間での人流が全体の多くを占め、外から因子が入り込むリスクは少なかったのでしょうか。

https://aomori-join.com/2021/03/03/tometemita/

ここで全体の予約代表者の比率推移と県外居住者の比率推移を見てみると……両者は非常に似通っており、元々の県外からの旅行客の人数が県内民に比べて多いことがわかります。なので県内民がいつもより多く宿泊しようが、全体のウェートに大きな影響を及ぼしにくいことも留意しておく必要があります。そんな中でも2021年のような大爆発は起きなかったと。やはり感染力の違いもそうだし、当時の個々人の意識の違いもあるかもしれません。

そして感染拡大は外的起因のみならず、仮に外から入ってきたとしても、それ以降内側で広めてしまう要素も考えて行かなければいけませんね。内的起因から始まった感染拡大としては2021年3月当時の青森市が当てはまるものと思われます。

 

青森県内における新型コロナウイルス感染症の感染動向データ【令和3年12月5日現在】 – 青い森オープンデータカタログAoi Mori Open Data Catalog (aomori.lg.jp)

21年10月は多くの人が宿泊中

2020年のGOTOトラベルや県内向けキャンペーンが行われている当時、弘前でクラスターが発生したことにより10月の宿泊者数が弘前市のみで明らかに伸び悩んだことは事実としてあります。それはGOTOトラベル等を利用している方々の多くが県内客で占められており、県内向けニュースで連日報道されたことが影響しています。

そして2021年4月は他市町村が軒並みイベントを中止している時に弘前のみ #さくら祭り を開催したため、弘前のみ宿泊者数が増加。その後は感染者数増加とそれに伴う報道により、宿泊者数は低下に転じました。一方で八戸では7月に弘前4月度の宿泊者数を突破。すると8月になってから八戸を中心として感染拡大が発生し、報道により宿泊者数は減少に転じました。

https://aomori-join.com/2021/06/03/nebuta3/

なお むつ市の2021年10月宿泊者数が2019年のそれを上回っているのは、8月に起こった豪雨災害の復旧のために、多くの土木業者や建築業者が宿泊しているためです。災害復旧のために現地での雇用需要も高まり、19カ月ぶりにむつ地域の局別有効求人倍率は1.00を回復し1.01となりました。その話は追々別の記事で語りましょう。#下北復興需要

<広報むつ>令和3年8月9日 むつ市・風間浦村 豪雨災害(マイ広報紙)広報むつ(青森県むつ市)令和3年10月号8月…|dメニューニュース(NTTドコモ) (docomo.ne.jp)

https://aomori-join.com/2021/07/18/keizainoima/

県内需要で20年並みの観光施設

2021年9月には多くの施設で休館に追い込まれるという悲しい事態が起きました。

https://aomori-join.com/2021/08/29/kyuukan-heigyou/

しかし今や多くの観光客で賑わっており、これは県内向けの観光キャンペーンの賜物でございます。宿泊客増加のみに留まらず、観光施設・土産物店・飲食店・小売店にも使えるクーポンでいろんな店で確実に好循環が起きています!

青森県おでかけキャンペーンは、2021年10月9日から再開いたしました。

【再開決定】青森県民限定『青森県おでかけキャンペーン』(5,000円割引 +2,000円おでかけクーポン)|あおもりナビ|青森観光情報サイト (aomori-navi.com)

青森県の宿泊割引「青森県おでかけキャンペーン」12 月末まで延長 GoTo・ふっこう割クーポンまとめ | 民泊・ホテルテックメディア Airstair

青森県おでかけクーポンが使える店・利用可能店舗はどこ?青森県おでかけキャンペーンが再開! | TABI JOZU

空の便、遠方からの旅客は回復せず

管内空港の利用状況 | 国土交通省東京航空局 (mlit.go.jp)

このデータからは青森県外と県内間で、どれくらいの人が往来したかが分かります。しかも自由に乗り降りできる鉄道とは違い、出発地点と到着地点を変えられない航空便は、特定地点からの人流の動向を把握できる利点があります。青森空港に到着する国内便は、東京羽田札幌新千歳大阪伊丹名古屋小牧神戸の以上5地点。国際便は現在、ソウル仁川・台北桃園・中国天津がありますけど、こちらは20年4月から完全に停止してますので、直近のデータは国内需要だけだと考えても差し支えありません。ちなみに平常時の国外便の客数は、国内線の1割にも至りません。三沢空港は東京羽田札幌・大阪伊丹の3地点のみで、国際便は運行しておりません。

この航空便のグラフと宿泊者数のグラフを見比べると、現在の宿泊客数の多くが近隣地域の人達で占められていることが想像つきます。

あまり飛行機に乗る人が少ない余りに、こんな企画も?片道7,000円で名古屋まで行けます。ぜったい決められた便数は飛ばさないといけないから安くしてしまうという穿うがった見方ですがね(苦笑)

FDA 「名古屋(小牧)=青森」線 就航10周年記念運賃の販売について|株式会社フジドリームエアラインズのプレスリリース (prtimes.jp)

近距離間の移動は、相対的に増加?

青森県 | V-RESAS

移動の抑制を求められた結果、遠方からの旅行者数は大幅に減少しました。ただし一方でビジネスにおいて “人を派遣して何かをせざるを得ない業務” というのは確実に存在します。土木工事や施設での機器調整、農業の繫務期間従事など様々ありますが……最近では県外から人を派遣できない代わりに県内の近場の人を使うことで、ビジネスでの “不足” を補おうとする傾向がグラフから読み取れます。加えて言えば観光目的で遠出していた方が近場で楽しむようになった傾向もあると思います。

ご覧いただければわかる通り都道府県外からの滞在人口は激減している一方で、都道府県内はそれほどでもありません。逆に市町村内では以前より移動が活発化しています。

この傾向はコロナ禍を語る上で、押さえておくべき事象の一つでしょうね。

高速道路の交通量 | NEXCO東日本 (e-nexco.co.jp)

高速道路での交通量は、コロナ禍の影響をあまり受けていない状況です。空の便と比べて近距離間の移動を反映するデータとも言えますし、車は “人と接触を避ける移動手段” として好まれた結果とも言えます。

情報の把握は、リスクマネジメント

国や地方自治体、諸々の医療機関から出される情報はありますけど……他にも色々な情報が巷で溢れています。最初の頃は “信頼できるとされる発信元” でさえ、正確に現状を把握できていませんでした。今でこそコロナ禍は静まって、落ち着いて物事を見て取れるようになりました。

ここで一度 色んな情報をおさらいして、コロナ対策を万全にしていきたいですね✨ その上で楽しむべきことは楽しむ。これをもっとうに過ごしていきたいものです!

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリジョイン 。

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