青森県内の各医療機関の対応は?このままコロナ禍が続けば、通常診療はどうなる?? #この秋最大のコロナ危機

アオモリコネクト特派員のかんからです。

世間には色んなサイトがありますけど、アオモリコネクトのように青森県全体を見張るサイトもいくつかあります。県以外に広げてみると、やっぱりその都道府県に根付いてるサイトってのがあって、それぞれが地域住民のためになるような情報を発信しています。

ただこれらのサイトがあまり踏み込めていない領域があって、それは “医療” です。

『これこれこういう催しがあるよ~』とか『この場所が楽しくて面白かった!』ってのは誰でも書けるんです。このサイトでよく出している開店情報だって、調べる技術があれば誰だってできます。でも”医療”となると、ある程度の下地となる知識がないと、間違った情報を発信しかねません。

もちろん通常時であれば、健康に生きていれば医療に触れる機会なんてほとんどありません。語るとしても『青森県で取れる “OO” という食材に入っている “OO” という成分が体にいい!』ぐらいなもので。でも今はコロナ禍の真っ只中。どんなイベント情報や開店閉店情報よりも、医療の情報が一番大切なはずなんですよ。情報というと……新型コロナの陽性者数を追う人はたくさんおられますけど、今実際問題として医療機関がどれだけの荷重に強いられているか。みなさんはわかりますか?

サイト運営に携わっている人は主に文系ですし、医療なんてこれぽっちもわかっていない人がほとんど。つまるところ、触れずらいんですよ。

……ということでアオモリコネクトが先頭を切って、(僕が医療従事者として)医療の話題に触れることにします。医療の現状が分かれば、(まだ本気になり切れていない)県民全体の意識も変わりざるを得ないでしょうから。”三密避けて” とか “大人数で行動するな” とか散々繰り返されてきたワードですけど、それらの基本ルールを守っていくことによってコロナの流行が収まるだけでなく、”体調が優れなくなった時に普通に受診できる環境” が守られることになります。

もしあなたがいま、熱を出してしまったら?

新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安 | 青森県新型コロナウイルス感染症対策総合サイト (aomori.lg.jp)

体調に何も問題がなければ、このサイトのページをご覧になることはないと思います。とりあえず現状では、いつもの病院がある人はいつもの病院へ。そうでない方はコールセンターへお問い合わせください。

検査の種類には抗原抗体検査やPCR検査等がありますけど、そのあたりは医療機関にお任せいただければと思います。患者様が考えなければいけない問題は、もし陽性と結果が出てしまった時です。患者自身が陽性だとしたら、その家族や仕事仲間はどうなるのかという問題を……考えなければいけません。もっと現実的な話をすれば、入院に必要な道具や洗濯物はどうするの?ということなんです。他の家族も陽性と出てしまった場合、“誰に取りに行かせよう”家にそのまま誰かに入らせていいの?”という問題に直面するのですが……。感染リスクを考えなければいけないのですが、この点は可能性として限りなく低いと研究結果が出ています。

家族の誰かが新型コロナに感染したら、洗濯物はどうする?|ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)公式 (harpersbazaar.com)

仮に自宅療養となった場合、一人暮らしなのか家族と暮らしているかによって違いはでてきますが……。参考記事を載せておきます。

家族で濃厚接触者/感染者がでたら? | PCRnow (ピーシーアールナウ)

【新型コロナウイルス】コロナで「自宅療養」に…必要なモノ・あったらいいモノ|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)

骨折で受診したはずなのに……コロナ陽性。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、無症状の感染者が一定数いることは知られているが、実際にその割合はどのくらいなのか。米国Scripps ResearchのDaniel P. Oran氏らがこれまでに発表されたCOVID-19関連論文のシステマティックレビューを行った結果、少なくとも3分の1が無症状であることがわかったという。Annals of Internal Medicine誌2021年1月22日オンライン版の報告。

COVID-19、陽性者の3分の1以上が無症状|医師向け医療ニュースはケアネット (carenet.com)

ということで、仮に無症状の人が何も症状の出ないままに、コロナ感染の状態から脱するということはありえます。そのような人が偶然に他の理由で受診して、『いまコロナ禍だから入院患者全員にコロナの検査してます』ということで検査すると……陽性ということも事例としてありました。

もちろんその後でコロナによって症状が悪化するケースもあるでしょうから、判明したことを良かったと受け止めるべきでしょうけど……当人にしてみれば複雑でしょうね。

さらに起こり得るケースとして、遠い地域にお住まいの方がレジャー客として青森にやってきたのはいいものの、スキーをして骨折したとします。その時に偶然にも陽性と判明して、現地の病院が満床だった場合……想像してみてください。過酷な現実が、あなたを待ってます。

症状がなくても、コロナの検査はできる。

もし発熱等で受診しPCR検査を受けた場合は、この部分に関しては保険適用です。そして入院費用の詳細や他の部分は、僕の知識不足もありご説明することが出来ません。

でも注意点として……色んな医療機関から聴こえてきたお話をご紹介します。検査以外にもかかる費用はありますので、病院によってその費用はまちまちです。

そして受診時に(人づてに聞いた情報やネットサーフィンによって)費用込々で実質無料と勘違いした人が、『この病院はぼったくりだ』と判断して警察に通報……なんてこともあったそうです。そして病院によってはあらかじめ来院時に “預り金” を頂くこともあります。この場合かかった費用がそれを上回らなかったなら、お金は一部帰ってきますので安心してください。

症状ある人は別として、念のためコロナ陽性かどうか調べておきたい人もいるでしょう。

青森県内で自費検査を提供する検査機関は、以下の通りです。(21/08/13時点)

名称住所電話番号
石木クリニック青森県青森市港町3-7-25017-718-0390
今別町国民健康保険今別診療所青森県東津軽郡今別町大字今別字今別640174-35-2680
鳴海病院青森県弘前市大字品川町190172-32-5211
佐藤内科小児科取上医院青森県弘前市大字取上2-17-10172-33-1191
医療法人陽明会佐藤内科医院青森県弘前市覚仙町15-10172-34-2126
八戸在宅クリニック青森県八戸市岩泉町70178-47-7778
国民健康保険南部町医療センター青森県三戸郡南部町大字下名久井字白山87-10178-76-2001
公立七戸病院青森県上北郡七戸町字影津内98-10176-62-2105
六ケ所村地域家庭医療センター青森県上北郡六ケ所村大字尾駮字野附986-40175-73-7122
相原内科小児科医院青森県弘前市青山3-8-20172-33-0055

青森県内新型コロナ自費検査一覧詳細(エクセル)

000767666.pdf (mhlw.go.jp)

“今日の東京が明日の青森” ということが無いように

青森県内の最新感染動向 | ストップCOVID-19 新型コロナウイルス情報サイト (青森県エリア) (codeforaomori.org)

このデータを基に考えると、総病床数は612床なのに入院患者が891人もうバグってます。

“残り病床数” に至っては-279床ですからね。マイナス分の人達は果たしてどこへ行ったのか……、みなさんはどこだと思いますか?

こちらのデータを見る方が分かりやすいかと思います。

注:互いのデータ更新のタイミングにずれがあるのと、病床数のデータは他感染症の入院患者も含まれていますので、両方のデータの数値が完全に一致することはございません。

みなさんに注目して頂きたいポイントは、入院調整中の人数が389人だということ。つまり彼らは今自宅にいるか、もしくはコロナの入院が出来ない病院(=つまり陽性と判明した場所)のどこかで待たされているかのどちらかです。自宅療養にすべきではない症状を出しているのに、病院への入院がスムーズに決まらないということが青森県でも起きているんです。

「急増する”入院・療養調整中”」(ここに注目!) | おはよう日本 「ここに注目!」 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室

じゃあコロナを受け付けていない病院もあるのだから、そういうところで病床も増やすべきでは?と感じるかたもおられるかもしれません。でも受け入れていない病院の存在自体にも価値はあって、コロナの因子がない環境下で通常診療の出来る大切さ。コロナ以外にも重篤な病気はたくさんありますし、そして通常診療によって未然に防ぐことのできる疾患もあります。これまで続けられてきた “当たり前の診療環境” を保つことも大切だと思います。

もしコロナ禍がさらに深刻になれば……”当たり前の診療環境”というものが、普通の人に提供できなくなる。風邪ひいただけなのに、診察してくれる病院がないという事態になりかねません。

医療機関を守るための取り組み

体調が悪くなったとかでないと、病院のサイトなんか見ないでしょう。ニュースでもわざわざ報じないので、今医療現場がどんな対応しているか、まったくわからないと思います。

他にも様々な医療機関のホームページにアクセスして頂くと、いろんな対策をしているんだよということがお分かりになるはずです。あとは外向けには発信はしていませんが、各院職員向けのルールも設けて、院内感染が起こらないように努力をしています。もちろん感染地域に行かないのはもちろん(というか今や日本全体が感染地域ですが)、あちら側から来た人と会うのを避けること。そして会食は何人であっても出来なくなった病院もあります。

きっと医療界並みに誰もが感染防止に努めていれば、コロナは一気に鎮まるんですけどね。

 

 

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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