《続報》#お盆期間 の人流に関して
#ヒートマップで可視化
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一般的に #お盆期間 は8/13~8/16とのことですが、現時点ではお盆前半(=8月第2週)の8/14までのデータが判明しております。19年比なので、もし数値が1.00倍なら19年と同じ人流だということを示します。
初出記事として青森地域(青森市,平内町,今別町,蓬田村,外ヶ浜町)の #ねぶた期間 における人流が1.70で県内最高だということはお伝えしていましたが、お盆期間全ての地域で “入る人流” “出る人流”ともに19年の流量を超えました。つまり行動制限のない状況下において、多くの方々が帰省や旅行をしたことを示しています。それは普段我慢しているから『お盆なら……仕方ない』と思ったに他ならないでしょうが、結果としてどのような状況に陥っているか?
もちろん移動だけでは感染拡大に対して明らかな寄与はなく、移動中または移動先における個々人の行動や意識によるところが大きいです。感染対策に不備はなかったか、当初から言われてきたような “大人数での会食を行わない” “三密となり得る環境を避ける” ということを行ったのかということを再度考える必要があります。
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青森県全体で申し上げると、県外から青森県へ入る人流は22年正月時よりも高い1.61倍を記録。一方で青森県から県外へ出る人流は入る人流に比べ1.12倍と抑えられていることから、入ってくる人が多く かつ出て行く人が少ないという状況が形成されており、結果として人の集中が起きていたといえます。
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お盆期間において下北地域が県内で一番高い2.73倍を出したことに非常に驚いています。これを何でだろうと考えてみたものの……ハッキリとした結論は出てきません。グラフを見ていただければわかる通り、ここ最近の下北は来る人というよりは遠くへお出かけしていく人が多い状況が続いていました。#下北復興需要 によって業者の出入りも普段より多いとはいえますが……反動的な何かなのか?復旧が進んだことによって多くの人がやっとで里帰りがし易くなったということなのかもしれませんね。物理的にというよりは精神的なところで、『今なら迷惑にならないだろう』という思いがあったのでしょうか。
以下、22/08/15(月)時点の記事
Contents
アオモリコネクト特派員のかんからです。
コロナ禍という事象はずっと続いてますけど、当初から2年は続くという話自体はありました。でも蓋を開けてみると事実上2年以上悩まされているわけですよ。最初の衝撃は抜け去って、今はwithコロナを体現してるところ。感染拡大の有無に関わらず行動制限は無くなり諸々の規制は薄れ、まさに個々人の意思に任された状態となりました。
あまり聞き慣れない用語に #前責任 と #後責任 ってのがあります。後になってからじゃ責任なんか取れないだろうから、予めルールを厳しくしておくのが #前責任。その代りルールから外れた人がいれば、見せしめに徹底的に叩きます。一方で #後責任 は何をやっても自由だけど、責任は後で全て自分で取りなさいという考え。ただし自分だけで責任が負いきれないような出来事の場合は、周りの人も揃ってその結果を被ることになります。
みなさんはどちらがお好きですか??
https://aomori-join.com/2022/07/11/aomori-kankou/
最新の人流データチェックは “V-RESAS”
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当サイトでも度々使っております “V-RESAS” について改めて説明したいと思います。記事内に情報を使い始めたのは2021年の夏からで、読者の方々におきましても長い付き合いになりましたね。最近だと地元紙でも人流データを使い始めたりして一般化しつつありますが……SNSなんかを見てるとコロナ感染者数ばっかり追うばかりで、他の辺縁の情報を確かめようという動きが鈍いような感触があります。
この人流データに限らず、よく僕が使ってる月例観光統計や交通量変化であったり景気の動きを確かめることによって、なぜこのような事態が起きているのかという解答に近づくような気がするんですけどね。
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V-RESASは、地方創生の様々な取組を情報面から支援するために、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局と内閣府地方創生推進室が提供しています。
特に、地方公共団体や金融機関、商工団体等の皆様が、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を適時適切に把握することで、観光関連施設や生活基盤等の地域資源を維持し、感染症拡大の収束後に地域経済を再活性化させていくための施策の立案、遂行及び改善をするためにお使いいただけます。
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もしコロナ禍が収まってもこのV-RESASを使いたいなとは思っていて、例えば消費財の地域別動向も確かめることが出来るので、ケーキやチョコレートの消費量が多ければ甘いもの好きな県民性があるとかやりたいんですよ。そういうちょっとクスリとするネタをやりたいんですけど、まだまだ世間はそんな時間的余裕を与えてはくれません。
早くコロナ禍よ、収まってくれー。
青森県全体へ来た人流は1.19倍
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最新データから解説させて頂くと、22年8月第1週(8/1~8/7)の県外からの人流は19年比で1.19倍、県外へ出た人流は0.91倍となりました。どちらとも1.00倍に近い数値を出しており、祭り期間において人の流れが例年並みに戻ったことを示しています。ただし県外から出た人流が少な目という所から見ると、久しぶりに開催された地元のお祭りを楽しむという選択をした県民が多かったことが窺えます。
これをさらに地域別にみると……
青森地域へ来た人流は1.70倍
これをご覧になっていただいて明らかなとおり、祭りが行われた地域とそうでなかった地域での人流の差がお分かりになるかと思います。
青森県の夏祭り | 夏休みおでかけガイド2022 – ウォーカープラス (walkerplus.com)
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もちろん祭りの規模によって異なりますが、規模を縮小した #三社大祭 を有する八戸地域は県内最低の0.80倍。一方で前夜祭こそ中止したものの規模の大きい #青森ねぶた祭 を有する青森地域は県内最高の1.70倍となりました。
https://aomori-join.com/2022/08/08/nebuta-hoteru-nedan/
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青森地域の方々は特に #ねぶた期間 に限って外へ出る人流を減らしています。なので地元民は県外へ遊びに行く人が比較的少なく、久しぶりに行われた #ねぶた を徹底して楽しんだものと思われます。
結果として外側からはたくさんの人が来て、内側からは人が出ていかない状況が作り出されました。局所的に人が集中していたといえるでしょう。
ただこうなると “会期中の人出は105万人。コロナ禍以前の2019年に比べ180万人減った” という発表がありましたけど、つまり祭りによる人出が63%減ったのだと言います。しかし実際はそんなに減っておらず、逆に増えた可能性すらあります。その辺りは果たしてどうなんでしょう……?
その実……地元民の中で一定層が祭りを避けていた結果、そうなったのかもしれませんね。
西北五が1.50倍で県内2番目の多さ
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西北五地域といえば五所川原市が誇る #立佞武多 があります。勇壮果敢なその姿見たさに様々な地域から観光客が押し寄せたに違いありません。加えて言うと青森地域で宿泊できなかった(もしくは宿泊費用を安く抑えようと)観光客が周りの地域に移動したということも想像でき、西北五の人流増加はこれら複合的要因によるとみて良いでしょう。
一方で津軽地域の代表として #弘前ねぷたまつり がありますが、青森地域ほど人流の伸びはありません。もちろん1.04倍を出しているので19年並みに人が来たことは事実ではあるものの、観光客の目は知名度の高い青森ねぶたにばかり向いてしまい、まだ他の祭りを気にするという所までは至らなかったのかもしれません。
https://aomori-join.com/2022/08/05/nebuta2022/
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今後の経過を予想すると、お盆期間(8/13~8/16)に入るので8月第2週第3週は人流が増えるのではないかと思われます。その際も記事にてお伝えするつもりです。
ただし青森・津軽・西北五地域を中心に豪雨災害が発生したので、その影響がどう出てくるかは不明です。昨年発生した下北豪雨の後に復旧作業のために呼ばれた業者によって宿泊者数は増えたものの、観光目的の入込客数は減りました。なので同じような現象が青森・津軽地域でも起きるのではないでしょうか。
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#下北復興需要 月例観光統計について|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government
県内自治体からの流入を見ると
注:他都道府県との対比
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時間軸は7/25(月)が一番左側で8/7(日)の一番右側に進んでいきます。あくまで6週移動平均なのでその日毎の割合を示しているわけではありませんが、祭りの該当日が加わることによっておこる変化を明確に見ることが出来ます。
例えば #青森ねぶた祭 の開催期間は8/2(火)~8/7(日)であり、それまで青森地域における県内自治体からの流入が70%前後で推移していたのが、祭り期間に入ると50%前後に変化しました。それだけ県外からの流入が相対的に増えたことを意味します。
津軽地域に属する #黒石ねぷたまつり は7/30(土)~8/5(金)で #弘前ねぷたまつり は8/1(月)~8/7(日) ですが、それ以前は90%弱に対して祭り期間は80%前後に変化。西北五地域に属する #五所川原立佞武多 は8/4(木)~8/8(月)で、それ以前は90%弱だったものが70%前後に変化。下北地域の属する #大湊ネブタ は8/5(金)~8/7(日)で、それ以前は70%前後だったものが50%台に変化しました。一方で縮小開催の #三社大祭 によって目立った人流の変化は見られませんでした。
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注:県内自治体との対比
第7波が八戸発となった原因は?
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県内の感染状況について「どこも感染が多く出ている状況でいわゆるまん延状態だ」と述べ、県内の広い地域で感染拡大が起きているという認識を示しました。
特に三八上北周辺で感染者が増加していることについては「東京・首都圏の感染拡大に関連してビジネスで交流がある八戸、上十三は増えやすい印象がある」と述べました。
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このニュースが掲載されてたSNSを見ると、非常に叩かれてて可哀そうになったわけですよ。いわゆる “こじ付け的” に受け止める人が多く、何も分かってないと言われ放題でした……。でもビジネス云々の話はもっともで、経済の好調さ自体は求人動向からも見て取れる事実です。この件は去年八戸発の感染拡大がみられた時に僕も指摘してました。
https://aomori-join.com/2021/09/02/hachinoheha-hirosakiwokoeta/
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青森県の雇用失業情勢について | 青森労働局 (mhlw.go.jp)
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結局のところ南部地域が好調で津軽地域が不調という状況はずっと変わりありません。そういった経済状況ですから八戸を中心とした地域にビジネスが偏りやすくなるのは当然な話であるし、東京方面との物資の行き来を示す指標を見ても平時へと既に戻ってます。
(野辺地が1.63倍という異常値を叩き出している原因は、雇用需要が高いというよりは居住者が少ないため)
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管内空港の利用状況 | 国土交通省東京航空局 (mlit.go.jp)
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乗降客数と貨物取扱量の実数だけ比べれば青森空港の方が上ですが、三沢空港は既に往時の状態に戻してます。それだけ経済が県内の東側で戻った証拠です。トラック輸送の要を担う高速道路の話でいえば八戸自動車道の方が格上であるし(区間の短さによる差はありますが)、経済において #東高西低 の状態があると言わらずを得ないでしょう。
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高速道路の交通量 | NEXCO東日本 (e-nexco.co.jp)
注:大型車に絞って言えば青森自動車道は439台/日、八戸自動車道は1,075台/日 令和3年度(令和3年4月1日~令和4年3月31日)
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つまりは経済が活発であればそれだけ人流が高い状態が生まれうるし、ビジネスをするうえで接触機会も多く、大人数での会食もするかもしれません。
ただこうは言っても……それがコロナ感染拡大と結びつくかは当地に住まう人と来た人、個々人の意識と行動の違いにかかってきます。
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三密を避ける等、感染対策はしっかりと行っていきたいものですね。
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**予想してみよう**#vresas という内閣官房で提供している人流データの8月8/1~8/7分が公表されましたが、果たして青森地域(青森,平内,今別,蓬田,外ヶ浜)の県外から入った #人流 はどうだったか?
ちなみに参考として対象地域から県外へ出た人流は19年比で0.76倍。明日記事として出します。
— かんからの中の人 (@on_aomori) August 13, 2022