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小説 華麗な彼女
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ある作家さんが「絵を描き続けるなら、まず描き続けられる環境と量産できる仕組みをつくることが一番大切だ」と言っていた。今ならよくわかる。ということでカレーライスの絵。 pic.twitter.com/w58Mg8BW4I
— ナカムラクニオ(6次元) (@6jigen) August 21, 2020
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「ご注文はお決まりですか?」
そう言って初めて伝票から目を外し、お客さんに顔を向けた。
するとそこには、びっくりするくらい華麗な彼女がひとりで座っていた。
「あ、はい……えっと、唐揚げ定食で。」
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僕は、一瞬で恋に落ちた。
こんなに汚い定食屋に、あんなにも華麗な彼女が来るなんて。そしてなんの躊躇いもなく、ハイカロリーを注文したそのギャップに電撃が走った。
自分でもこの時、どれほど不自然な “間” をつくってしまったのかは覚えていない。
「あのー……?」と促され、初めて自分の時間が止まっていたことに気づく。怪訝な顔もまたなんて綺麗なんだと思わず言いそうになる。
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不自然な間を誤魔化すように僕は大声を出す。
「唐揚げ定食入りましたー!」
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店長が今日作る唐揚げ定食が、世界で1番美味しくあれ!
そう神に祈った。
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どうやら口に合っていたらしく、満足そうな顔をしている。
「ごちそうさま。」
そう言って彼女は帰っていった。
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それから彼女は時折店に訪れるようになった。
いつも通り彼女は唐揚げ定食を頼み、気持ちよくご飯をかきこむ。
今日もいい日だ……なんて見とれていると、彼女と目が合ってしまった。
必死に目を逸らし、汚れてもいないテーブルを勢いよく拭く。
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「あの……、すいません……。」
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「はい…?」
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こんなにも、人生を諦めた瞬間はない。
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「どうしてここのお米は、こんなにもおいしいんですか?」
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鳩が豆鉄砲を食ったような時間が流れる。
でも僕にとっては、千載一遇のチャンスがやってきた。
マリオカートでいえば、スターを取ってお馴染みの曲が流れるこの瞬間。この時を使わない手はない。耳にタコができるくらい店長から聞かされた米の話が、こんなところで役に立つとは思ってもみなかった。
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「ここでは、青森県のブランド米『青天の霹靂』を使ってます。
定食屋の命とも言える米には、どうしてもいい米を使いたいんだって店長が言ってました。
『青天の霹靂』は粒がやや大きめのしっかりした米で、ほどよいツヤと、やわらかな白さ。
炊き上がりからしばらく保温していても、つぶれることのない適度な硬さがあるんです。
食べごたえがあって、しかも、重すぎない。粘りとキレのバランスがいい。”さっぱり” と上品な甘みの残る味わいなんです。」
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なんとも言えない沈黙の時間が流れた後、呟くように「そうなんだ……。」と言い、茶碗を見つめ、また一口頰ばり、霹靂を噛み締める彼女。
「ごちそうさま。」
今日も美味しそうに食べて、帰っていった。
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雪と雨が交互に降り続くとても寒い夜。
暖簾を終おうとした時、彼女が現れた。
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「まだ……、やってますか……?」
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心なしか涙目のような彼女を放ってはおけなかった僕は、
「いらっしゃいませ」と満面の笑みで迎え入れた。
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「すいません、今日はもうこれしかなくて……。」
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置かれた”それ”を見つめる彼女。
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沈黙に耐えきれず、話しかける僕。
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「嫌い……でしたか……?」
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スプーンを手に取り、一口食べる彼女。
すると、堰を切ったように泣き出してしまった。
嗚咽混じりに泣きじゃくる彼女。
どうしたらいいか分からず気持ちばかりが焦る僕。
無言の時間が流れる。
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しばらくして、落ち着いたのかボソッと呟いた。
「……おいしい。”これ” と食べると、”さっぱり” がよくわかる……。」
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そういうとまた、ただひたすらに黙って食べ続けた。
鼻水をすする音と、スプーンと皿が擦れる音だけが店内に広がる。
何があったのか聞く勇気もなく、僕はただ見守ることしかできなかった。
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「……ごちそうさまでした。」
なにかが吹っ切れたような顔で彼女は言い、それ以来、店に来ることはなかった。
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なにを食べようか迷ってるお客さんを見ると、僕から提案するようにしている。
「うちは米に自信があります。青森県の皆さんが一生懸命作ってくれた、『青天の霹靂』を使ってます。このお米をちゃんと味わって欲しいんです。」
だから、
「カレーにしませんか。」
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*この話は、フィクションです。
「青天の霹靂」PR隊 加藤隊員
たいへん素晴らしい作品でしたので、引用紹介をさせて頂きました。http://seitennohekireki.jp/index.html 随時お米を宣伝中♪
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【コラム】お米の疑問に答える!
①”新米”って、どこからどこまでの期間が新米なの?
これに関しては、青天の霹靂PR隊のホームページに書いてあります。
青天の霹靂 PR隊 (seitennohekireki.jp)
「新米」は、原料となる玄米が生産された年の12月31日までに精米され、容器包装に入れられたものにしか表示することができません。
つまり令和2年産米を『新米』と言えるのは令和2年12月31日まで。令和3年1月1日以降に包装された令和2年産米(栽培米)は年を越したので、『新米』と表記することはできません。単に「令和2年産米」と表記されます。
今年の新米はこれ\( 'ω')/青森の青天の霹靂🌾スーパーでちょっとお買い得だったので。先日母が持ってきてくれた大好きな加島屋の鮭茶漬け(フレ-ク)をかけていただきました…至福✨🍚🐟 pic.twitter.com/zAE1MAUplL
— mouton🐏 (@u_u_ai) December 8, 2020
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②お米はどれだけ放置しておけば、味が落ちる?
正直なところ、保管状況に左右されます。ご家庭で買っていただいたお米は、時間が経てばどうしても味が落ちてしまうリスクはあります。ただし販売前の政府備蓄米などは、保管がしっかりとされているので、味は基本的に落ちません。お買い上げいただいたお米は、常温で一ヶ月、低温で3ヶ月を目安にお召し上がりください。なお現代では、銘柄によって味落ちの差異はありません。
お米Q&A : よくある質問にお答えします – 米ネット (komenet.jp)
昔は、精米した後は広げていたなぁ..袋に入れると熱がこもってお米の味が早く落ちるからだろうなぁ..お米の熱はどんな最新の精米機でも、冷やしも直ぐには温度は下がらないだろうなぁ…広げてかき回すしかないね。#物産#巣鴨#横須賀#足立#練馬#高円寺#品川#葛飾#板橋#多摩#世田谷#豊島 pic.twitter.com/z8BvGLY9eX
— 小茄子・小なす・小茄子漬け 【レンジ茄子漬け】令和2年産米・販売通販【まるわなす】横手市産・横手産 (@dengakumaruwa) December 5, 2020
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③青天の霹靂を津軽ばっかり植えやがって。南部をのけ者にするな(怒)
えっ。。。。。
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「青天の霹靂」の栽培・出荷基準について|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government
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確かに、津軽ばっかりでした。。。
でもこれには、ちゃんと理由があるのです。
それは “ブランド米” として、品質を保つため
南部は犠牲となったのだった。。。
H30seisansyatourokuyouryou.pdf (aomori.lg.jp)
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これを読む限りだと作付地域は “津軽中央” と “津軽西北” に限られています。
なぜ作付地域は、その場所に限定されてしまったのでしょうか?
代表的な条件に “日照量” “気温” “風向”。
青天の霹靂はブランド米としての品質を保つため、地域限定にしてます。 特に南部地方はやませが強いので、外されてしまったとか。確かにコメの生育時期は、津軽が日照時間・平均気温ん共に高いのです。ちなみに青森県平均として日照時間(5月~10月)は東北で最も長く、関東地方と比較しても約20%も長くなっています。その中で津軽に限定すると……それ以上ということになりますね。
作った作物を売ってる農家だとやっぱり農薬や肥料の使用についてガチガチに決まってるしブランド作物ではさらに細かい(たとえば青森のブランド米「青天の霹靂」は日照量などで“育てられるエリア”を決めていたりする)……頭が上がらないでございます……
— FMIC7743.log.exe (@fm7743) November 2, 2018
これは青森県に限った話ではなく、例えばお隣秋田県のあきたこまち。同じ品種のコメを植えているにもかかわらず、地域によって味に差異が生じています。
あきたこまちの特徴や評判を徹底分析 | ピントル (pintoru.com)
産地名 | 29年度ランク | 28年度ランク | 27年度ランク |
秋田県 県南産あきたこまち | 特A | 特A | 特A |
秋田県 県北産あきたこまち | A | A | A |
秋田県 県中産あきたこまち | A | A | A |
岩手県 県中産あきたこまち | A | A | 特A |
茨城県 県南産あきたこまち | A | A’ | A’ |
愛媛県産あきたこまち | A’ | A | A |
味の基準の参考として、つがるロマンを挙げておきます。
産地名 | 29年度ランク | 28年度ランク | 27年度ランク |
青森県 津軽産つがるロマン | A | A | A |
もちろん青天の霹靂は、特A!しかも6年連続。
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みなさま。お勉強、お疲れ様でした!
これで立派なお米博士になれたかなと思います。
↓↓もっと学びたい方は、こちら↓↓
https://aomori-join.com/2020/10/29/noukasan-ganbatte/