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人気アニメ『薬屋のひとりごと』と日本薬剤師会のコラボ企画、青森でも広がり 実写映画化の動きも

人気アニメ『薬屋のひとりごと』と公益社団法人・日本薬剤師会のコラボ企画が、2025年2月の発表以来、全国的に広がりを見せています。特に青森県内でも、ポスターやお薬手帳が薬局で配布され、地元住民やアニメファンに注目されています。企画開始から約10ヶ月が経過し、転売問題への対応が進む中、テレビ放送の状況や最近の実写映画化の動きも相まって、作品の人気をさらに高めています。

全国で展開される「猫猫お薬手帳」

日本薬剤師会は2025年2月、TVアニメ『薬屋のひとりごと』とのコラボレーション企画を発表。描き下ろしイラストを使ったポスターとお薬手帳を制作し、会員が勤務する全国約5万2,000施設の薬局・病院などにポスターを無償配布しました。お薬手帳は都道府県薬剤師会や地域薬剤師会を通じて受注生産され、会員施設で活用されています。

ポスターには「お薬手帳を持参しましょう」といったメッセージや、「薬剤師に相談することの大切さ」を伝える文言が添えられており、作品の世界観を活かして、かかりつけ薬剤師・薬局の重要性やお薬手帳の役割を啓発する狙いです。企画開始後は、薬局利用者から「お薬手帳を持ち歩くきっかけになった」といった声も上がり、アニメファン以外の層にもお薬手帳の存在を知ってもらうきっかけになっています。また、アニメファン以外の層からも認知拡大に寄与しています。

お薬手帳の表紙には、後宮の医局で薬を調合する猫猫の姿がフルカラーで描かれています。アニメファンにとっては魅力的ですが、日本薬剤師会は「処方箋に基づき調剤した医薬品を記録するための医療ツールであり、単なる配布や販売は行わない」と強調。開始当初の人気で在庫不足が発生したため、3月以降に増刷が決定され、現在も各地の薬局で配布が続いています(在庫状況は薬局ごとに異なります)。

青森でもポスター&お薬手帳が定着、そして猫猫といえば……

『薬屋のひとりごと』は、2023年秋から日本テレビ系で放送された人気アニメで、青森県ではRAB青森放送で同時期にオンエアされ、多くの視聴者を獲得しました。ネット配信でも視聴可能なのもあって、さらにファンを増やしました。この評判が青森に広がった結果、青森市薬剤師会の公式サイトでは会員向けにポスターとお薬手帳の活用案内が掲載され、県内の薬局で積極的に導入されています。

県外でも、愛媛県内の調剤薬局グループが全店舗で配布を開始するなど、各地で参加事例が増加。青森県内でも日常の医療シーンに溶け込んでいる様子が見られます。また青森県三戸町では以前より、絵本「11ぴきのねこ」シリーズをモチーフにしたオリジナルお薬手帳がふるさと納税の返礼品として提供されています。このお薬手帳は、表紙にねこたちのイラストを採用した5種類があり、プロフィールや薬の情報を記入するページにも可愛らしいイラストが散りばめられています。

転売問題の推移と正しい受け取り方

一方で、「猫猫お薬手帳」をめぐる転売問題は企画開始直後から発生し、フリマサイトなどでの高額転売が相次ぎ、アニメ公式は「転売はおやめください」「転売品の購入もお控えください」と注意喚起しました。日本薬剤師会も会員に対し、「フリマアプリなどで販売しないように」と改めて通知しています。増刷決定により供給が増えた現在も、転売行為は散見されますが、薬局での無償配布が基本であるため、公式ルートでの入手を推奨しています。お薬手帳は本来、服用薬の情報を一元管理し、医師や薬剤師が安全に治療を行うためのツールです。転売やコレクション目的の入手は、本来の趣旨に反します。

コラボお薬手帳を入手したい場合は、自分のかかりつけ薬局が日本薬剤師会に加入し、企画に参加しているかを確認してください。ただし、公式は個別の薬局への問い合わせが業務の妨げにならないよう呼びかけており、「在庫の有無を問い合わせないでほしい」と案内しています。転売問題への対応として、一部の薬局では受取時に名前記入を義務付けるなど、対策を強化しています。

実写映画化の動きでさらに注目

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作品の人気は留まるところを知らず、2025年12月には実写映画化の報道が週刊文春からありました。芦田愛菜さんが主人公・猫猫役で主演を務めるとされ、壬氏役などのキャストも注目を集めています。この実写化は、アニメの成功に続く新たな展開として、ファン層の拡大が期待されます。コラボ企画との相乗効果で、医療啓発とエンターテイメントの融合がさらに進むでしょう。

青森では、地上波放送と薬剤師会コラボの相乗効果で、『薬屋のひとりごと』が日常に根付いています。アニメファンにとっては、身近な薬局で猫猫の姿を見つける瞬間が、作品の世界と現実の医療現場をつなぐきっかけとなっています。企画の継続により、今後もさらなる広がりが期待されます。

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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