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青森のひな祭りは3月3日だけじゃない 八戸で「旧暦の方が望ましい」とされた記録も

3月3日は「桃の節句」。全国的には新暦の3月3日に祝うのが一般的ですが、青森では少し違った感覚も受け継がれてきました。

青森県の近代の記録をみると、三戸郡八戸町(現在の八戸市)を拠点とした『奥南新報』には、東京では新暦3月3日にひな祭りを行う一方、まだ寒い八戸では旧暦の方が望ましいという趣旨の記述があったとされています。寒さの残る地域ならではの季節感が、行事の時期にも表れていたようです。

ひな祭りは本来、旧暦の3月3日に行われていた節句です。いまの暦に置き換えると、年によって差はありますが、おおむね4月上旬から中旬ごろにあたります。雪の残る青森では、新暦の3月3日よりも、少し遅い時期のほうが「春の行事」としてしっくりきたと考えると分かりやすいかもしれません。

また、ひな祭りに関連して、青森県では旧暦の3月3日ごろに「いそ遊び」「浜遊び」をする地域があった、という一般向け解説も見られます。子どもたちが浜辺で貝やカニを採って煮炊きする風習として紹介されていますが、今回確認した限りでは、現在の青森県内のどの市町村で継承されているのかを明示した公的資料までは確認できませんでした。

一方で、現代の青森県内では、ひな祭りは展示や交流イベントとしても親しまれています。八戸市の更上閣では「ひなまつり展」が3月29日まで開かれ、ひな人形やつるし飾りが並びます。七戸町では中央商店街を会場に「しちのへひなまつり」が例年4月に行われ、東北町では日米交流事業として例年「ひな祭り in TOHOKU Town」も開かれています。昔ながらの節句が、いまは地域イベントとして受け継がれている姿も見えてきます。

青森のひな祭りを語るなら、ポイントは「全国と同じ3月3日」だけではないことです。寒さの残る土地だからこそ、春らしさを感じられる時期に寄せて祝う感覚がありました。少なくとも八戸には、そのことを裏付ける記録が残っています。

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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