青森市発、2025年11月16日
日本フットボールリーグ(JFL)所属のラインメール青森FCが、2025シーズンのJ3リーグ昇格を逃した。ホーム最終戦でヴェルスパ大分に0-3で敗れ、リーグ2位以内に入れなかったことが決定打となった。クラブは長年Jリーグ入りを目指してきたが、今年もその壁を越えられなかった。

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シーズン経過と昇格の条件
ラインメール青森は2025シーズン、JFLで上位争いを繰り広げてきた。J3昇格のためには、JFLで1位になれば自動昇格、2位であればJ3下位チームとの入れ替え戦に勝利する必要がある。また、Jリーグ入会審査では、平均観客動員数2000人以上などの条件をクリアしなければならない。クラブは2025年10月にJリーグ理事会から条件付きで入会承認を得ており、レイラック滋賀、ヴェルスパ大分とともに昇格候補として注目されていた。
しかし、シーズン終盤に入り、首位レイラック滋賀との勝ち点差が開き、自動昇格の可能性は消滅。残り2試合で2位争いに絞られていたが、11月16日のホーム最終戦でヴェルスパ大分に完敗した。試合では退場者2人を出し、守備が崩壊。得失点差も考慮すると、昇格圏内に入るのは難しかった。
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観客動員の壁と最終戦のドラマ
昇格の大きな課題の一つが観客動員だった。J3入会にはシーズン平均2000人以上の入場者数が必要で、ラインメール青森はこれまでこの基準をクリアできていなかった。クラブはシーズン中、SNSなどで積極的に呼びかけ、ホーム戦での集客を訴えていた。
ホーム最終戦では、過去最多となる3987人の観客が詰めかけ、シーズン平均の基準をクリアする可能性を示した。しかし、試合結果が振るわず、昇格の夢は断たれた。サポーターからは「観客数はクリアしたのに、試合で負けてしまったのが悔しい」といった声が上がっている。
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今後の展望とクラブの課題
ラインメール青森は青森市を本拠地とし、地元企業やファンに支えられてきた。2023年や2024年シーズンでも昇格圏内に迫ったが、観客動員やライセンス取得のハードルで苦しんできた歴史がある。今回の失敗を受け、クラブは公式声明で「J3昇格に向けて最後まで戦い抜く」との決意を表明しているが、来シーズンに向け、さらなる集客力向上とチーム強化が求められる。
JFLの結果により、J3リーグの降格枠にも影響が出る可能性がある。ラインメール青森の脱落で、J3の19位チームが残留できるケースが生まれるかもしれない。 地元青森では、サッカー人気の高い青森山田高校の存在もあり、プロクラブとしての基盤強化が急務だ。
ラインメール青森の次戦は11月23日のアウェー戦。シーズン最終戦で有終の美を飾り、来季の巻き返しにつなげたいところだ。







