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「デスロード」「スタック祭り」…青森市の雪相談が高止まり 2/11も過去最大級に迫る

青森市の市民相談・投稿システム「まちレポあおもり」に寄せられた雪に関する相談件数が、今冬は大きく増えている。12/16以降の累計は7,903件で、昨季(同期間)の3,410件を大きく上回り、約2.32倍に達した。
2月上旬には1日あたりの相談が突出し、2/11にも再び高水準(過去最大に迫る水準)となった。

※重要:本記事の相談件数は「投稿・相談の数」を地区別に整理したものです。危険度や優先度(緊急性)の順位を示すものではありません。

1)「今年は多い」では済まない増え方——累計は昨季の約2.3倍

今冬(12/16〜2/17)の雪相談は累計7,903件。昨季同期間の3,410件と比べて約2.32倍となった。
日別推移をみても、相談が増える波が何度も訪れており、2月上旬には1日で約680件規模のピークも確認できる。

そして注目したいのが、2/11に再び相談が急増して“過去最大に迫った”点だ。ピークが一度落ち着いた後に再上昇しており、単に「雪が降ったから」だけでは説明しきれない“引き金”があった可能性がある。

2)2/11に何が起きた?——「暖気×路面コンディション」が相談を押し上げたか

市民の体感として多かったのは、前日から気温が上がった一方で、生活道路の除雪・排雪が追いつかず、道路がぬかるみやすい状態になったという指摘だ。
雪は降った直後よりも、暖気で解け始めたタイミングに厄介さが増す。ザクザク雪→水分→轍(わだち)→再凍結、という流れが生まれると、車が取られやすくなる。SNSではこの時期、生活道路の状態を揶揄して「デスロード」、車がはまる状況を「スタック祭り」と呼ぶ投稿も目立った。

さらに、天候が良くなると外出が増え、通勤・買い物・送迎などで車の往来が戻る。結果として、路面の荒れが可視化されやすくなり、相談や不満が噴き出す——2/11の再増は、こうした条件が重なった局面だったのかもしれない。

3)相談が多い地区はどこ?——2月前半は「石江・新城」が突出

地区別に見ると、2/1〜2/17で相談が多かった上位は次の通りだ。

  • 石江:584件

  • 新城:406件

  • 筒井:350件

  • 三内:321件

  • 小柳:321件

  • (続いて 大野273、金沢263、桜川253、奥野227、富田205)

また、12/16〜1/31の段階でも上位は
新城177、石江153、奥野140、筒井135、三内104と、似た顔ぶれが並ぶ。
昨季(2024年度)のデータでも上位は筒井・石江・桜川・小柳・浜田などで、今冬は特に2月に入って西側・北西側の一部エリア(石江・新城など)で件数が跳ねた格好だ。

4)「二段階除雪」への疑問、生活道路の不満——“体感差”が摩擦を生む

SNS上で多かったのは、幹線道路は通れるが、一本入った生活道路が厳しいという声だ。
また、除雪の進め方としてよく言われる「二段階除雪」(まず通行確保→後日拡幅・排雪)についても、「いつ二段階目が来るのか分からない」「結局、道幅が戻らずすれ違えない」といった不満が出やすい。
ここは行政・事業者側の事情(人員・機材・優先順位)もある一方で、住民側は日々の生活の中で“今困っている”ため、情報がないと不満が増幅しやすい領域でもある。

5)屋根雪も“次の焦点”——落雪・雪庇・家族内の負担

道路だけでなく、暖気の局面では屋根雪のリスクが上がる。雪が湿って重くなり、落雪や雪庇の崩れ、雪下ろし中の転落事故が起きやすい。
さらに現実問題として、雪下ろしは体力も時間も要る。家庭内では「誰がやるか」「いつやるか」で不和になる——そんな声もある。雪は自然現象だが、“家の中の意思決定”まで直撃する負荷になっている。

6)ギスギスした冬の先に、ねぶたの夏は来るのか

今冬は、除雪をめぐる不満や言い合いが可視化され、市民の空気が張り詰めているようにも見える。
一方で、青森の夏を代表するねぶた祭は、本来「町内・企業・団体が力を合わせて動かす」行事だ。冬に除雪を担う事業者の中には、夏は建設業などで地域に根を張り、ねぶた運行や協力に関わる団体も少なくないはずだ。
冬のしんどさを“分断”で終わらせるのか、それとも“協力の材料”に変えられるのか——今季の雪は、地域の結束力まで試している。

7)求められるのは「除雪の量」だけではなく「見通し」

相談件数の急増は、雪の量だけでなく、暖気で路面が悪化するタイミング、生活道路の体感差、屋根雪の負担など、複数要因が連鎖した結果とみられる。
今後は、除雪そのものに加えて、いつ・どこを・どんな順で進めるのかという“見通し”が共有されるほど、住民側のストレスは下がりやすい。冬の終盤に向けて、相談が再び跳ねないよう、地域全体で知恵が問われる。

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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