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フージャースコーポレーション、旧中三弘前店を取得 土手町エリア再開発へ一歩

写真:レイさん

不動産開発大手のフージャースコーポレーション(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小川栄一)は、青森県弘前市の老舗百貨店「中三」弘前店の土地と建物の権利移転が11月14日に行われたことが登記情報から明らかになった。この取得は、昨年8月に経営破綻した中三の資産処分の一環とみられ、フージャースの地方都市再開発戦略の拡大を示す動きとして注目を集めている。

買収の背景と詳細

中三弘前店は、弘前市土手町に位置する地上8階・地下1階建ての建物で、長年地元住民に親しまれてきた百貨店だった。しかし、経営不振により2024年8月に破綻。破産手続き中だった同店の土地・建物は、任意売却の交渉が進められていたが、最終的にフージャースコーポレーションが取得に至った。取得価格や具体的な売却プロセスについては公表されていないが、地元メディアによると、年内の売却が持ち越しとなっていた中での決定だという。

フージャースコーポレーションは、1994年に有限会社フージャースとして創業した不動産デベロッパーで、創業からわずか9年9ヶ月で東証1部(現・東証プライム)上場を果たした成長企業だ。主な事業は新築分譲マンションの開発・販売、戸建て分譲、市街地再開発事業、シニア向けマンションの供給など。グループ全体では、不動産投資や関連サービスも手がけ、製販管一体の体制で「住む人目線」の価値提供を掲げている。

同社はこれまで、全国の中心市街地で再開発プロジェクトに積極的に参画しており、ファミリー向けマンションやシニア住宅の供給で知られる。2025年現在、創業30周年を迎え、中期経営計画ではマンション供給戸数の拡大を目標に掲げている。弘前中三の取得は、こうした地方再開発の延長線上にあるとみられ、青森県のような地方都市での事業強化を示唆する。

将来の展望と地元への影響

現時点で、フージャースコーポレーションから取得後の具体的な活用計画は発表されていない。しかし同社の事業特性から、同社の実績からは、マンションや商業施設などへの再開発も想定されるが、現時点で具体的な計画は公表されていない。弘前市は、土手町エリアが商業の中心地である一方、少子高齢化が進む地方都市として、再開発の需要が高い。地元の住民からは、「老朽化した建物の有効活用が期待される」との声が上がっているが、一方で伝統的な百貨店の喪失を惜しむ意見も聞かれる。

フージャースコーポレーションは、公式サイトで「お客様の真のニーズに応える住まいづくり」を強調しており、今回の取得が地域活性化につながるかどうかが注目点だ。グループ会社のフージャースケアデザインがシニア事業を担うなど、高齢者向けのプロジェクトも強みの一つ。弘前市の経済再生に寄与する可能性を秘めている。

この買収は、不動産市場の活性化を象徴する事例として、今後の動向が注視される。同社は本件に関する詳細なコメントを出していないが、地元自治体との連携が鍵となりそうだ。

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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