新酒の季節がやってきた
津軽の酒蔵3か所をめぐる小さな旅
実りの秋を過ぎ、津軽は新酒の気配が色濃くなる季節へ。
酒蔵から「しぼり」の知らせが届きはじめると、冬の訪れを感じます。
青森県は米どころであり、名水どころ。
霊峰・岩木山を中心とした豊かな水源から、個性ある日本酒が生まれています。
今回は、鰺ヶ沢町と弘前市にある
尾崎酒造・六花酒造・三浦酒造
この三つの酒蔵を、外観だけですが巡ってきました。
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鰺ヶ沢町 尾崎酒造
「安東水軍」を生んだ、津軽西海岸の老舗蔵
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尾崎酒造は1860年(萬延元年)創業。
津軽藩の藩米が集まった港町・鰺ヶ沢で、若狭小浜から移住した初代・五郎右エ門が商いをはじめたのがルーツとされています。
問屋として使っていた倉庫を転用しているため、酒蔵としては珍しく天井が低いことでも知られています。
仕込み水は白神山地の湧き水。超軟水を活かした、すっきり辛口の酒が特徴です。
代表銘柄
安東水軍
神の座(かみのくら)
古い歴史のある蔵ですが、外観は素朴で静か。
赤い壁に大きく書かれた「安東水軍」の文字と、杉玉が印象的でした。
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弘前市 六花酒造
「杜來」「じょっぱり」、二つの歴史を継ぐ蔵
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六花酒造の歴史は1719年にまで遡ります。
弘前市内で栄えた「高嶋屋」「白梅酒造」「川村酒造店」という三つの蔵が1972年に合併し、「六花酒造」が誕生しました。
2022年には酒蔵を岩木山の麓へ移転。敷地・設備をコンパクトにして、
“大量生産から、少量高品質”へ舵を切った、挑戦を続ける蔵です。
代表銘柄
杜來(とらい)
→ 移転後の新ブランド
じょっぱり
→ 津軽を象徴する銘柄で、2024年12月に「JOPPARI」として復活しました。
実際に訪れた建物も新しく、黒を基調としたモダンな外観が印象的でした。
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弘前市 三浦酒造
唯一の「豊盃米」で醸す、全国的な名門蔵


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三浦酒造は1930年創業。
「豊盃(ほうはい)」で知られる蔵で、全国でもファンが非常に多い酒蔵です。
この蔵の特長はなんといっても、
“豊盃米を使う唯一の蔵”であること。
青森県内でも豊盃米の栽培は限られ、
三浦家と契約農家、そして弘前大学が中心となって支えています。
兄弟で杜氏を務める体制となってから酒質が大きく向上し、
2002年の全国新酒鑑評会入賞をきっかけに全国的な人気に火がつきました。
香り・旨み・キレのバランスがよく、
“見つけたら即買い”といわれる一本です。
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買ってみました
津軽地酒ファンの友人へ、そして自宅用にも
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関西在住の知人が津軽地酒の大ファンで、今月末に来青します。
その手土産として、そして自宅用にも、三浦酒造の「豊盃」と六花酒造の「杜來」を購入しました。
同じ“津軽の酒”といっても、蔵によって味わいの方向性はまったく異なります。
ラベルや醸造の背景を知るほどに、その一本が持つストーリーが浮かび上がり、贈り物としても選びやすく感じました。
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まとめ
――津軽の酒蔵を巡ると、北国の“水と歴史と情熱”が見えてくる
今回巡った三つの酒造は、
どれも岩木山の水を中心とした自然に寄り添いながら、
それぞれのやり方で酒造りの歴史を守り続けていました。
新酒の季節。
寒さが深まるこの時期にこそ、津軽の「水と歴史と情熱」が凝縮された地酒の魅力を、じっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
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■情報
尾崎酒造
公式通販 【公式通販】尾崎酒造|青森鰺ヶ沢で造る地酒・日本酒
六花酒造
公式ホームページ 六花酒造株式会社(公式)ウェブサイト
Instagram https://www.instagram.com/6kka_sake/
X(旧Twitter) https://x.com/6kka_sake
三浦酒造
公式ホームページ 三浦酒造 | 豊盃 ほうはい
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**三浦酒造のガラスに描かれていたイラスト**








