2025年11月9日、福岡国際センターで開幕した大相撲九州場所。142年にわたり続いてきた青森県出身の幕内力士の歴史を、秋場所での活躍で守った錦富士をはじめ、尊富士ら現役力士の奮闘が注目されたが、白星発進とはならなかった。以下に主な取組を振り返る。
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錦富士(東前頭15枚目、青森県十和田市出身、伊勢ヶ浜部屋)
秋場所で十両から再入幕を果たし、青森県の誇りを背負う錦富士は、西前頭14枚目の時疾風と対戦。立ち合いから互いに激しく当たるも、時疾風の勢いに押され、敗北。0勝1敗のスタートとなった。錦富士は秋場所で11勝を挙げ、再入幕の目安をクリアした実力者だが、初日の黒星は今場所の巻き返しを誓わせるものだ。青森県出身として唯一の幕内力士として、場所を通じた活躍が期待される。
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尊富士(東十両7枚目、青森県五所川原市出身、伊勢ヶ浜部屋)
去年の春場所で新入幕優勝という快挙を成し遂げた尊富士は、十両陥落後の初日で西十両6枚目の錦木と顔を合わせた。鋭い立ち合いを見せたものの、錦木の突き落としに屈し、黒星。0勝1敗となった。怪我からの復帰を目指す中、秋場所の休場が響き地位を落としたが、持ち前のスピードとパワーを発揮しての上位復帰が待ち望まれる。青森県の若きエースとして、残り14日間の奮起に注目だ。
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その他の青森県出身力士
幕下以下の階級では、大花竜(西幕下18枚目頃、青森県出身、立浪部屋)は初日白星、長内(東幕下19枚目頃、青森県出身、玉ノ井部屋)も初日白星で奮闘中だ。過去の成績から、彼らの着実な勝ち越しが青森相撲の未来を支える鍵となるだろう。青森県は舞の海、安美錦、貴ノ浪といった名力士を輩出してきた土地柄だけに、下位力士の成長も見逃せない。
九州場所は横綱大の里の白星発進や、伯桜鵬の金星などで盛り上がりを見せているが、青森県出身力士にとっては苦しい初日となった。相撲どころのプライドを胸に、2日目以降の巻き返しを期待したい。場所は11月23日まで続き、力士たちの熱戦が続く。







