青森県民駅伝競走大会は、青森県内の全市町村が参加する県内最大規模の駅伝イベントです。県民の結束を強め、スポーツ振興と地域活性化を図ることを目的に開催されており、スローガンは「健脚でつなげ郷土の和と心」。毎年9月の第1日曜日に青森市で実施され、郷土の誇りを胸に老若男女のランナーがたすきをつなぎます。2025年現在で第33回を数え、30年以上の歴史を誇ります。
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前身と大会の誕生
大会のルーツは、1983年から1992年まで開催されていた「陸奥湾一周駅伝競走」に遡ります。この大会は経費負担などの理由で終了しましたが、その精神を引き継ぐ形で1993年に青森県民駅伝がスタートしました。 初回は10区間42.195kmのコースで、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸前をスタートし、青森県総合運動公園陸上競技場をフィニッシュとするルートでした。当時の開催日は9月15日(敬老の日)で、第1区では青森ベイブリッジを通過する特徴的なコースでした。
目的は県民の一体感を高め、活力ある県勢の発展とスポーツの振興を図ること。県内40市町村の代表チームが競い、総合順位のほか、市の部・町の部・村の部でそれぞれ表彰されます。各チームは小学生から一般まで幅広い年齢層の選手で構成され、家族や地域コミュニティの絆を象徴するイベントとなっています。
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コースとルールの変遷
大会は時代とともに進化してきました。2001年(第9回)まではマラソン距離に相当する10区間42.195kmでしたが、以降はコースが短縮・調整されています。2019年(第27回)からはフィニッシュ地点が新青森県総合運動公園陸上競技場に変更され、現在の9区間26.1km(青森県観光物産館アスパム前スタート、カクヒログループアスレチックスタジアムフィニッシュ)に落ち着きました。正午スタートが定番です。
2020年と2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりました。2022年(第30回)は3年ぶりの再開ながら、感染対策として新青森県総合運動公園の敷地内限定コースで実施。2026年は国民スポーツ大会開催のため休止が予定されています。 2012年(第20回)は記念大会として岩手県・宮城県・福島県の代表チームが特別参加し、43チームによる競技が行われました。
ルール面では、各区間に小学生、中学生、一般男子・女子、35歳以上などの指定があり、多世代参加を促進。近年は中学生と35歳以上が競う区間が導入され、若手とベテランの活躍の場が広がっています。
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最近の大会と注目点
2025年の第33回大会(本日開催)は、青森市が2年連続8回目の総合優勝を果たしました。タイムは1時間24分49秒で、弘前市(1:25:14)、八戸市(1:25:36)が続きました。 過去には小学生時代に活躍した選手が高校でエースになるケースも多く、青森山田高校などの名門校が選手を輩出しています。
この大会は、単なる競技を超えて地域の絆を深める場として、青森県のスポーツ文化を象徴しています。将来的にはさらに多くの参加や交流が期待されます。