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青森県と秋田県にまたがる白神山地は、スタジオジブリが公式に「もののけ姫」制作時に「大いに参考にした」と発表した世界自然遺産で、作中のアシタカが住むエミシの村のモデルとされています。世界最大級のブナ原生林が広がるこの神秘的な森は、映画の壮大な自然観と深く結びついた聖地として多くのファンに愛され続けています。
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エミシの村のモデル地
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映画の冒頭でアシタカが暮らすエミシの村は、白神山地の奥深くにある集落をモデルにしており、特に青森県西目屋村周辺の風景が参考にされました。8000年もの間人の手が入らず自然のまま保たれてきたこの地域は、まさに古代のエミシ民族が住んでいたような原始的な環境を今も維持しています。
白神山地には12の湖沼群「十二湖」があり、神秘的な青い水をたたえた池々が森に点在する様子は、映画で描かれたエミシの村周辺の幻想的な自然環境そのものです。現在でも白神山地ビジターセンター（青森県西目屋村）では、この地域の環境的意義や生態系について詳しく学ぶことができ、映画の世界観をより深く理解する手がかりとなっています。
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世界最大級のブナ原生林
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この原生林は東アジア最大級の規模を誇り、約3万年前の氷河期から続くブナ（ジーボルドブナ）が主体となった森林生態系が奇跡的に保存されています。かつて地球が現在より温暖だった時代、ブナ林は北極圏周辺に広く分布していましたが、氷河期の寒冷化により南下を余儀なくされました。
ヨーロッパなどでは東西に走る山脈が植物の南下を妨げ、ブナのみが移住してシンプルな森林構成となりましたが、日本では地形的障害がなかったため、多様な植物がブナと共に南下し、複雑で豊かな生態系が維持されました。その結果、白神山地には540種を超える植物と2,200種の昆虫、クマゲラやイヌワシなどの貴重な動物が生息し、まさに「森の博物館」と呼ぶにふさわしい生物多様性を実現しています。
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青池の神秘的な青色
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白神山地の森深くに隠れた青池は、まるで青いインクを流し込んだような鮮やかなコバルトブルーの水面で訪れる人々を魅了します。表面積975平方メートル、水深9メートルのこの池は、朽ちたブナの大木が水中に横たわり、池底に倒れた木がくっきりと見えるほどの透明度を誇りながらも、なぜかハッキリとした青色に輝いています。
この神秘的な青色の正体は、実はまだ完全には解明されていない自然の謎です。青森の厳しい冬でも水温が年間を通して9℃を保ち、池が凍ることがないため、その吸い込まれそうな透明度と青色を一年中保ち続けています。太陽が真上に来る午前11時頃には明るいブルーに、午後には濃紺に近い深いブルーへと色合いが変化し、時間帯や角度によって表情を変える幻想的な美しさは、青森有数のパワースポットとしても知られています。
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