青森市の障害者就労支援施設『でじるみ青森中央』を作ったきっかけ。そしてこれからの展望。

A-connect特派員のかんからです。

最近色んな人とお話しする中で、”おやんず” の活躍というのを目のあたりにすることが多々あります。若い人がパワーを持っているのは当たり前としても、例えば仕事を辞めて新しいことに挑戦する、そして実際に作り出した組織が動き出している。社会も次第に変えていくような原動力に驚かされるばかりです。

もちろん定年するまで働き続けて、家族とともに楽しく暮らすという道も選択肢としては立派です。ただその概念にとらわれることなく動かれる方は一定数いらっしゃって、僕には出来ない考え方も含んでいるのでその都度『すごいな~』と驚かされます。

今回、そんなおやんずの一人を取材させていただきました!どうぞお読みくださいませ。

はじめたきっかけ

障害者就労支援施設 #でじるみ青森中央 を始めた竹口あきらさんは、かつて北海道で体育教師として働いていました。その中で障がい者のこどもたちと接する機会が多く、彼らと活動する中で世の中に必要なことが見えてきたそうです。そこで一念発起して51歳で独立。場所を選ぶにあたり、デジタルやサブカルと障がい者支援の結びつきがあまり進んでいなかった青森市に注目。最初の拠点として移住することに決めました。

なぜサブカルが障がい者支援に必要なのか?そこには竹口さんの教師時代の経験がありました。ずっと家に引きこもってばかりの障がい者のこどもがサブカルの魅力に取りつかれ、進んで教室に通うようになった姿を目のあたりにした竹口さんは、もしかしてサブカルは趣味や好きなものという存在に留まらず、社会で生きていくための手段となり得る。付随するデジタルの技術を身に付ければ、障がい者だとしても立派に生きていけるのではないかと考えました。

人間関係に悩んだり、傷ついたりした人たちに、また復活できるチャンスを見つけられる場所を作りたい。『勉強し直したい』『鬱になって一度諦めたけど、また挑戦したい』と思っている人たちに、『まだまだ人生は楽しめるんだよ』と言ってあげたい。竹口さん自身、人として一緒に成長したいと考えておられるそうです。

お年寄りとの関係も築きたい

今の時代、人口の大きなウェートを占める “お年寄り” の存在もしっかりと考えていかなければいけません。お年寄りたちが困っていることはあるだろうし、なによりデジタルに不慣れな人が多い現状があります。例えば駐車場でお年寄りが車を出そうとして精算機の前に立っている。でも機械の操作の仕方が分からなくて時間が長くかかってしまう。あるいは病院の事前予約をネットで行うことを難しく感じてしまうお年寄りもいることでしょう。

そんなときに手助けをするのが “障がい者” という未来を作りたいと竹口さんは考えています。障がい者が自分の得意なことを生かして、お年寄りの生活の役に立つ。老後を楽しく生きていくために、似顔絵を書いてあげたり話し相手になるだけでも良いのです。そうしていくうちに障がい者自身も満たされ、自信を持って社会と関わることができるようになると考えています。

お年寄りにとっても 『面倒くさいな~』と思っていることを気軽に聞いてもらえる環境を作る。そのためのコミュニティー(=寄合所)を作るために頑張っています。

でじるみ青森詳細

エンターテインメントアカデミーでじるみ青森中央 就労継続支援B型事業所

サブカルチャー特化の就労支援

「でじるみ青森中央」は全国に50以上の事業所を展開する「でじるみ」の一環として、青森県内初となるサブカルチャー型の就労継続支援B型事業所です。一般的な就労支援施設と異なり、アニメーション制作、キャラクターデザイン、動画編集などのクリエイティブな技術習得に特化しています。利用者は自分のペースで通いながら(週1日から可能)、最低30分からの作業時間で、自分の「好き」を仕事にする技術を身につけることができます。

施設では充実した機材(パソコン、ゲーミングPC、タブレット、ゲーム機各種)と、Adobe製品(フォトショップ・イラストレータ・プレミアプロ等)、クリップスタジオ、3D制作ツールなどの専門ソフトを完備。また、本部が契約している有名なプロの漫画家やイラストレーターによる作品へのアドバイスや、現役クリエイターからの技術指導も受けられます。これにより、障がいがあっても「諦めなくて良い未来」を支援し、社会での活躍と収入獲得を目指しています。

デジタルスキル習得プログラム

でじるみ青森中央では、利用者一人ひとりの「好き」を尊重した多彩なデジタルスキル習得プログラムを提供しています。イラストやキャラクターのデザインを学びたい方は、趣味で描いていたイラストをデジタル化し、配色、構成、デザインなどをクリエイタースタッフのサポートで本格的に習得できます。動画制作を学びたい方は、企画・撮影・編集技術を習得し、視聴者から作り手へと転身するチャンスがあります。WEBメディアやSNS運営を学びたい方は、ホームページ管理やブログ更新などの実践的スキルを身につけられます。

でじるみの支援は単なる技術習得にとどまらず、「自分自身で仕事の受注が取れるようになる支援」まで行っています。個別支援計画に基づき、無理のないペースで段階的にスキルアップできるよう配慮されており、現役クリエイターや専門知識を持つスタッフからの直接指導も受けられます。これらのプログラムを通じて、障がいを持つ方々が自分の「好き」を活かしながら経済的自立を目指せる環境が整えられています。

キャラクターデザイン講座

「でじるみ青森中央」のキャラクターデザイン講座では、クリップスタジオを使ったキャラクター作成から始め、基礎描画トレーニングからキャラクター法則学まで幅広く学ぶことができます。利用者の「好き」や「目標」を尊重しながら、楽しく学べる環境が整えられています。

施設では最新のデジタル機材やソフトウェアを完備しており、Adobe製品やクリップスタジオなどのプロ仕様ツールを使用した実践的な学習が可能です。また、青森県内では珍しいデジタルアート作品制作のワークショップも開催されており、AR(拡張現実)アートなど最先端技術を活用したクリエイティブスキルを身につける機会も提供されています。これらの学びを通して、将来的には企業キャラクターやゲーム開発など、実際の仕事につながるスキルを習得することができます。

7月以降の活動予定

7/11    うららマルシェ出展(青森市役所1Fでの催事)

7/21    のれマルシェ(青森ハマナス会館)

7/26・7/27 弘前アートフェスにて出店

7/30~8/27 駅前アートギャラリー(青森駅構内通路飾り窓)での商品展示

10/6~11/6 駅前アートギャラリー出展

12/5~1/5  駅前アートギャラリー出展

 

他にもOEM商品化(相手会社の発注品の、相手先ブランドの形をとった生産)など展開中です。将来的にはでじるみを岩手県盛岡市にも設置するかも……?

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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