**青森市民向け** #まちレポあおもり のデータ開示、24/12/16〜25/02/26分📃 どの地域が雪の相談件数が一番多いのか?土地の脆弱性を把握しよう。 #青森の政治経済

アオモリコネクト特派員のかんからです。

先月は大雪の災害を受けて、25/01/01〜16のデータに基づく記事を急ごしらえで作りました。

それ以降の経時的変化、そして過去分を含めてのデータ解析が済みましたので、再編成しつつ改めて記事として出したいと思います。

このデータが果たして役に立つのか?それは僕がどこか大学教授のように、『とりあえずこの研究を進めているけど、実際に役に立つかは他の人が考えること』と言っているのと同じことで、ひょんなことから後になって新商品やサービスとなって結びついたり、国家の威信をかけた大プロジェクトに組み込まれたりするもの。(さて僕のやってることがこれに該当するかは5年後10年後を見なければわかりませんがね~)

積雪量と相談件数の統計を持って、例えば除雪業者の割り振りと重ね合わせたり、、土地における特異性や人口比、路地が多いなどなど検討する課題はあるとは思います。お年寄りの多い地域からのネットを介した苦情件数が少ないとの話もあり、全体に対して統計にどのような影響を持っているかも考えるべき点ではあります。ただし電話での相談の統計が表に出されていない以上は、既出のデータを基に構築するしかありません。そういったポイントを踏まえて、記事内のデータをご覧いただければ幸いです。

まずは復習 #まちレポあおもり

https://x.com/nishi_hideki/status/1869933300422455345

こちらは昨年12月20日付の投稿ですが、この時まさか今のような豪雪になるなんて誰が想像してたのか……。もちろん気象庁である程度の予測は出ていたでしょうが、いざその場に至るとまた違いますからね💦

この投稿で取り上げているのは #まちレポあおもり という相談受付システムです。主に ・雪に関する相談 ・道路に関する相談 ・公園に関する相談 ・水路に関する相談 の4つのことで書き込んで頂ければ青森市役所で回答、あるいは相談内容に対応してくれます。

#まちレポあおもり

例を挙げてみる

書き込む内容例)

青森市役所に入ろうとしてるんですが、雪がいっぱいで駐車できません。このままだと働くことができません。除雪をお願いします。 

🧞某青森市民

情報提供ありがとうございます。内容確認いたします。

🧞青森市 都市整備部 道路維持課 雪に関する市民相談窓口 担当

という風な流れでまず回答があり、次いで除雪した場合はさらに返答が来る仕組みです。一応回答まで数日を要する場合があり、基本的には市が相談内容を確認するのは、原則 午前8時30分~午後5時(土・日・祝日を除く)とのこと。

でも他の方が書いている様々な相談内容を見ていくと、回答が書き込まれているタイミングが深夜の時もあり、もしかすると現在が異常事態なのを自覚して市役所がフル稼働しているのかもしれません。

データ総評

一般的に考えれば雪が降れば降るほど相談件数が増えるというイメージがあります。なぜなら雪が積もるほど除雪の必要性が増すからです。しかしグラフをご覧いただくと、決して積雪深・降水量と相談件数は相関していないことが分かります。1月に入って一番積雪深が多かった 1/8(日)の相談件数は324件でしたが、この日が降雪と積雪深が一番あったわけではありません。

の時点では次第に増える雪に対し相談件数は比例していたと捉えてもいい。  1/2(木)の場合は急激に雪が降ったという状況下で青森市民の多くが相談を持ち込んだと考えることも出来ますが、1/7(火)と1/8(水)は積雪深・降水量とリンクしていない。逆に積雪が同程度の1/10(金)以降の相談件数が100件を下回ったことを考えると、1/7(火)と1/8(水)の相談件数が多くなった原因は天候によるものと考えるよりは、人為的な対応の不備だったと捉えるのが良いのではないだろうか。(加えて1/8~1/12の期間でヤマト運輸が宅配できないという事態も起きている。)

ただし簡単に”人為的な対応の不備”と言ったとしても、今回は12/28(土)~1/5(日)まで正月休みを取っていた人たちも多い。文化的慣習によって対応が後手に回ったのは仕方がない側面がある一方で、今後にこの経験を活かし、長期休みでも対応できるような仕組み作りは必要だろう。しっかりと雪への対応がなされていれば、除雪排雪が大いに実行されただろう1/10(金)以降のように相談される回数も激減するのだ。(一方で見方によっては #まちレポあおもり というサービスへの不信感によって相談件数が減った可能性もある)

②③ 以降は積雪深と降水量がいくら増えようが、相談件数が加速度的に増えることはなくなった。 では相談件数がいつもより増加してはいたが、積雪深が ②③ と同レベルであったにもかかわらず100件を上回ることはなかった。かつてのことを教訓として、このころには除雪体制が整っていたのだろう。 2/13(木)の相談件数増加においても100件を上回らなかった。

この増減における感覚的な話をすれば、降雪と相談件数は相関こそしていないが、降雪して2~3日後に相談件数を増加させる作用はあるように思えた。すぐに除雪なされれば問題なかったものが、例えば泥濘ぬかるみを生みスタックをもたらし、渋滞をもたらす、果ては洪水に近いような状態が起きてしまうのだ。

あとここに付記する、浅虫や新町など相談件数がほとんどない地域も存在した。浅虫は今年度降雪があまりなく、新町は街を代表するメインストリートなので除雪が比較的行われていたと考えられる。

データ詳細:24/12/16~31

特に飛びぬけて相談件数の多い地域は存在せず、大きく分けて桜川・筒井の住宅密集地石江・新城の住宅密集地で1~4位が占められている。人口が多い場所で相談件数が多くなるのは自然なこと。ただしそれだけの要因でないことは、次の期間から判明することになった。

24/12/16~31 #まちレポあおもり より

地区名相談件数地区名相談件数地区名相談件数
桜川40合浦7卸町2
新城37造道7宮田2
石江37中央7橋本2
筒井31浜館7港町2
大野26駒込6新町2
金沢25浪岡浪岡6滝沢2
西大野25花園5平新田2
安田24牛館5本町2
松森21細越5浪岡下十川2
奥野19松原5栄町1
小柳18八重田5古館1
富田18浪館5新町野1
三内17はまなす二丁目4新田1
浜田16羽白4前田1
浪館前田16久須志4沢山1
桂木15原別4八ツ役1
15赤坂4飛鳥1
浦町13大矢沢4北金沢1
旭町12第二問屋町4本泉1
月見野12茶屋町4問屋町1
幸畑11堤町4矢作1
自由ケ丘11東大野4油川1
長島11里見4浪岡女鹿沢1
11横内3浪岡大釈迦1
篠田10蛍沢3浪岡徳才子1
中佃10古川3浪岡福田1
南佃10荒川3
千刈9高田3
岡造道8四ツ石3
西滝8青柳3
千富町8虹ケ丘3
野尻3
矢田前3

データ詳細:25/1/1~16

1/1~1/16が一番相談件数の多かった期間です。

一番ダントツで多いのは筒井地域で、北側で隣接する桜川も3番目につけています。数値的に明らかな有意差があり、なぜそうなったかは現場に住まう人に伺うのが良いかと思われますので、その辺りは行政や政治家にお任せしたいと思います。

ただし素人目で考えてみた時、例えばその地域の道路が細い、路地が多い、川に挟まれた環境が雪を他地域より若干降らせやすい、業者側に不備があった、子供たちの登下校が危ない、住宅密集地ならではの特性、交通量の多さなどなど……いま挙げたものに間違っている考えもあるかと思いますが、筒井で起こったことは今後に向けて議論すべきことの一つだと思います。

経時的変化で見ると

筒井地域を経時的に見ていくと、正月から次第に相談件数が増えていき、1/8(水)には #まちレポあおもり へ寄せられた相談件数が30件に達し、お住まいの方々はとても苦慮されたことだろう。除雪がなされて以降は相談件数が激減し、1/16(木)に至っては相談が寄せられていない。

ちなみに筒井地区を細分化すると、一丁目が31件、二丁目が25件、三丁目が20件、四丁目が16件、丁番不明が81件ございました。なのでどの地区に偏っているというよりは、満遍なく除雪排雪が求められているようでした。

**除雪状況の参考としてお借りします**

小柳地域の相談件数を見てみると、一度1/3(金)かもしくは前日に除雪が入ったものと思われる。しかしそれ以降の件数増加を見ると、雪による状況悪化があったことが分かる。

相談件数上位の他地域のグラフと全地域相談件数を併せ貼っておくので、色々と考えるうえでの材料としていただけるとありがたいです。

25/01/01~16 #まちレポあおもり より

地区名相談件数
筒井173浪館19浪岡福田5
小柳93大矢沢19平新田5
桜川85赤坂19勝田5
浜田82月見野19高田5
石江74駒込19港町5
金沢72栄町19古館5
浪館前田66浦町19宮田5
大野66妙見16はまなす5
富田63南佃16浪打4
幸畑61細越16新町野4
三内54茶屋町15浪岡五本松3
新城50西滝15油川3
松森49合浦15本泉3
西大野46堤町14造道3
45千刈14新田3
蛍沢45けやき14浪岡北中野2
長島42八重田13虹ケ丘2
奥野41青葉13沢山2
中央40篠田13四ツ石2
中佃39東大野12合子沢2
岡造道35沖館11後潟2
桂木34野尻10牛館2
北金沢32本町9羽白2
自由ケ丘30橋本8浪岡銀 1
安田30安方8浪岡下十川1
29浪岡女鹿沢7柳川 1
旭町26里見7野木1
浪岡浪岡25矢作7野内1
久須志25東造道7田屋敷1
浜館23新町7第二問屋町1
古川21荒川7大谷1
千富町20戸山7青柳1
横内7上野1
矢田前6三本木1
松原6左堰1
原別6金浜1
戸山1

データ詳細:25/1/17~2/1

今期間における件数が一番多いのは東大野の12件で、前期間における筒井の173件と比べると激減していることは明らかであり、特にどの地域が上位に来たからといって地域同士の有意差は見受けられない。

ただしその中でも前の期間との違いを見出すとすれば、上位5番目のうち浜田以外は違う地域に入れ替わっている。ここから言えることは、青森市側でこれまでで苦情の多かった地域を優先的に除雪している可能性がある。

25/01/17~2/1 #まちレポあおもり より

地区名相談件数地区名相談件数
東大野12松森2
西大野11第二問屋町2
長島11富田2
浜田9里見2
大野8浪館前田2
細越6合子沢1
石江5自由ケ丘1
造道5小橋1
大矢沢5新田1
5青葉1
筒井5赤坂1
野尻5千刈1
三内4滝沢1
篠田4堤町1
新城4南佃1
浜館4八重田1
浪岡浪岡4北金沢1
浪館4本泉1
浪打4妙見1
桜川3浪岡女鹿沢1
小柳3
中央3
中佃3
3

データ詳細:25/2/2~2/17

前の期間に引き続き相談件数が少ない状況を維持しているので、地域ごとの有意差は特に見受けられなかった。

25/02/2~2/17 #まちレポあおもり より

地区名相談件数地区名相談件数
石江13安田1
金沢10はまなす1
新城10旭町1
筒井8羽白1
奥野7栄町1
自由ケ丘7岡造道1
小柳7宮田1
西大野7桂木1
富田7戸門1
久須志6細越1
幸畑6新町1
大野6新田1
浜田5西滝1
浪打4青葉1
安田3滝沢1
浦町3中佃1
古館3堤町1
三内3南佃1
篠田3本泉1
松森3妙見1
大矢沢3油川1
中央3里見1
八重田3浪館前田1
月見野2
古川2
戸山2
合浦2
赤坂2
千刈2
造道2
第二問屋町2
長島2
2
浜館2
問屋町2
浪岡浪岡2

気になる除雪状況のチェックは✔

(参考)
作業予定あり:指令が出ており、作業が翌日以降のもの
作業中:指令が出ており、その日に作業着手するもの
現場確認中:指令は出ていないが、現場確認中のもの

令和6年度除排雪出動指令状況(工区)(外部サイトへリンク)

令和6年度除排雪出動指令状況(路線)(外部サイトへリンク)

毎日午後5時頃に、その日(概ね午後9時~翌日午前6時)の除排雪出動指令状況「黄色:作業予定あり」、「ピンク:作業中」、「青色:現場確認中」の3段階をマップ上で工区、路線ごとにお知らせしているそうです。

他こういったサイト案内も参考にしてみてください。

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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