新郷村で2017年から開催されているアウトドア音楽フェスイベント、村魂祭(そんこんさい)。キリスト伝説、UFO飛来、ピラミッド・・・。思わず聞き返してしまう魅力的な要素を数多く持つ、ミステリアス極まりないこの地で開催されるイベントに今回ようやっと行くことができた。
会場は道の駅しんごうのすぐ隣、間木ノ平グリーンパークと言うキャンプ場。五戸のVIVA LA VIDAさんのタコスとケサディーヤ、八戸のおきなさんのそば湯で割られたゆずジンジャーで腹ごしらえをし、開演を待つ。
村魂祭って洒落てるなーと言うのが、会場についての第一印象。シンプルなステージも看板と布で彩られ非日常感。そしてゆったりとした心地良いムード・・・当フェスに関わる運営・出店・アーティストは、仲間が仲間を繋ぐ形で集まったと聞く。なるほど、そこから醸し出される雰囲気なのね。
ステージでの演奏が始まる。上質。率直にそう感じるほどどのバンドも豊かな演奏だった。Spoonful of Sugarが完全にモノにしているカバー曲たち。ヴォーカルの女性の杏子感も好き!楽しみにしていたzodiacの演奏は、「これ、ひと二人の演奏なんだ、、、」と思うほど贅沢感のある演奏で、客席とのコールアンドレスポンスに「頼れる先輩とのコミュニケーション」みたいな安堵感のがあった。
その日、思わず衝撃を受けたのは「田守和人&福山佐登志」。何曲か披露されていた中で、アリスの「遠くで汽笛を聞きながら」のカバーを演奏していた。歌の中に何度も出てくる「何もいいことがなかったこの街で」と言うフレーズ。新郷村在住の二人が組んだフォークデュオ。これまでこの村で生き、これからもこの村で生きて行くであろう人たちが歌うこの歌はあまりにも胸打たれた。
地方に住むってなんだろう。私は私で惑い、その中で10年都会と呼ばれる地域で暮らし、故郷へ戻って来た。移り住んで来た人が見て来たもの、Uターンした人が思い描いたこと。生まれた場所で暮らしてきた人が見てきたもの。そんなもう変えようのない「自分史」と言う痕をもう一度見つめ直させる様な素敵な一曲でした。
夜は更け、このあともまだまだ楽しい夜が続いてくこの場に後ろ髪を引かれながら家路へ向かう。自然いっぱいの田舎の夜は街灯も少なく真っ暗!運転怖!数々の演奏に感動したこの胸は、今はこの暗闇に震えている。