今年度の高校野球はどうなった?コロナ禍での苦労、仲良しの二人を通じて。~青森山田高校野球部~ #川原田純平 #畑中春喜

アオモリコネクト特派員のかんからです。

このコロナ禍の世情によって、去年の春夏は軒並イベントが中止……。それはスポーツにおいても同じで、サッカーやバスケなどありとあらゆる大会で延期や中止が相次ぎました。それは野球でも同じで、プロ野球では3月20日に予定していた開幕を延期したかと思えば、4月24日に変更。さらにはその決定すらも断念せざるを得なくなり、6月19日に無観客での開幕に到りました。そこに至るまでは相当な紆余曲折があり、苦渋の決断です。

選抜高校野球は、あおりを受け

第92回 センバツ高校野球大会完全ガイド 2020年2月号 雑誌 : オンライン書店e-hon (e-hon.ne.jp)

 

3月19日から11日間 阪神甲子園球場で開催予定だった第92回選抜高等学校野球大会は、中止に追い込まれました。球児たちの想いはついに届かず、涙を呑む羽目に……。いつもテレビで応援している方々も、さぞ寂しい感じでいたかなと思われます。

甲子園の運営側は生徒らの気持ちを汲み、8月に代わりとして2020年甲子園高校野球交流試合を開催。タイミングは違えど、甲子園に足を踏み入れた生徒らは感無量……。優勝校こそ存在しないものの、各々が自分の本気と向き合えることが出来たのではないでしょうか?

夏の甲子園も中止。

上記の交流試合と同時期に行われる予定だった第102回全国高等学校野球選手権大会は、すでに5月の時点で中止が決定されていました。ただし各都道府県の高野連では、それぞれ独自の大会を開くことに。青森県では令和2年度夏季青森県高校野球大会が7月に開催され、青森山田が八戸学院光星を8-5で下し優勝。甲子園には行けなかったものの、十分に戦いきったのではないでしょうか。

青森県高等学校野球連盟 (aomori-kouyaren.com)

青森山田高校野球部の方々を取材しました。

左から畑中春喜選手、川原田純平選手、兜森崇朗監督。後ろには数々のトロフィーが並んでいる。

アオモリコネクトで去年12月に、青森山田高校野球部に取材させて頂きました。

川原田純平選手はドラフト会議でソフトバンクホークスより4位指名を受け、同球団に入団を決断。十分に試合が行われない中でも、遠い福岡より逸材を探しに来ていたのでしょう。よくぞ見つけてくださいました!

46 川原田 純平選手名鑑2021 |福岡ソフトバンクホークス (softbankhawks.co.jp)

このドラフト指名は思いもよらぬ出来事だったらしく、元々は同野球部の畑中春喜選手と共に東京農業大学 北海道オホーツク硬式野球部に進学予定でした。川原田選手にとってソフトバンクへの入団は驚きと希望に満ち溢れる出来事ですが、一方で仲のいい二人が別れることになり、少し寂しさもあるようです。

OKHOTSK BBC (university.jp)

取材&撮影:張山英和

川原田純平選手

3年間の思い出、心に残っていることは?

川原田:一番印象に残っていることは、今年の代替大会優勝です。密になることを防ぐため、練習は3つの班に分かれて行っていました。みんなで練習できない時期は嫌だったし、早くみんなでそろって練習したかったです。自粛が解けて、みんなで練習できるようになった初日は嬉しくて、チームの絆を改めて感じました。

畑中:僕も似てるんですけど、3年間一緒にやってきた仲間で最後優勝できたのが、一番うれしかったです。コロナ禍によって練習の時間が限られていたので、その中で試行錯誤しながら努力しました。

川原田:グラウンドで練習できる時間も限られてしまいました。もっとグラウンドで時間の許す限り練習したいという気持ちがあったので、制限されていたのが本当に辛かったです。

令和2年度夏季青森県高校野球大会 決勝戦 

青森山田が優勝できた要因は?

川原田:やっぱり夏になると出場メンバーから外れて出れない3年生がいるので、チームから離れていくことが多いんです。今年はメンバーになれなかった3年生も、夏の大会期間も力を貸してくれました。チームと3年生が一丸となれたから、優勝できたのだと思います。

畑中:僕もチーム全員が優勝という目標に向かってて、背を向ける人がだれ一人としていなかった。それが優勝への一番の要因だと思います。

畑中春喜選手

3年間の思い出、仲良しな二人。

川原田:一年の時からクラスが同じだったのもあって、色々と話しているうちに仲良くなりました。野球部で一緒に練習するようになったのは、実はコロナの時期になってからです。偶然にもポジションが一緒で、右投げ右打ちショート。なので一緒に練習してて楽しいし、一番相性が合う気がします。

畑中:川原田君はうまいので、一緒に練習してると参考になります。楽しかったのはもちろん、色んなのを吸収できて勉強になりました。川原田君は一人だけ、ずば抜けていた。

ここで張山記者が『言われてどうですか?』と川原田選手に質問すると、『恥ずかしい』と はにかんでいたそうです。

26日ドラフト会議“新様式”「メイン会場なし&12年ぶり無観客」に「12球団個室からオンライン提出」― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

ドラフトが決まった件

川原田:全然自信がなくて不安しかなかったので、ドラフトが決まってビックリしました。”嬉しい”とかの感情は出ずに、ただただビックリするだけで……。もう福岡へは挨拶に行かせていただいて、第一印象は率直に、暖かかったです。

(ここで一同、笑いに包まれる)

川原田:ソフトバンクの工藤監督にもお会いして、やっぱりオーラがあるなと思いました。

ちなみに畑中選手の進学先である北海道オホーツク硬式野球部も、ドラフトで選ばれやすい強豪です。なので将来的に川原田選手と畑中選手が同じ球団でプレイすることもあり得るかもしれません。

NPBプロ野球ドラフト会議でオホーツクキャンパス農友会硬式野球部2名が指名されました。 | 東京農業大学 (nodai.ac.jp)

今後の抱負

川原田:自分は身体が小さいですけど、それでもプロの世界で活躍できるということを見せたい。そこで野球をやっていない人たちを含め、すべての人に夢や希望を伝えれるような選手像を目指して頑張っていきたいです。

畑中:大学に行って、2年目からすぐ試合に出れるように頑張ります。全国大会に行って、プロから注目させるような選手になりたいです。

取材中、ずっと緊張していた二人。今後活躍していけば、取材はこんなものじゃ済みません!私どもアオモリコネクトは、お二人のことを応援しています。

 

Author: かんから
本業は病院勤務の #臨床検査技師 。大学時代の研究室は #公衆衛生学 所属。傍らでサイトを趣味で運営、 #アオモリコネクト 。

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