~4年前にお会いした時のインタビューを掲載しております。ご了承下さい。~
竿って非常に大事な道具なんです。
誰もが一度は必ず手にしたことがある釣竿。日本人の殆どの人は釣りを経験したことがあり、その割合はなんと9割以上。ホームセンターでは釣竿はレジャーの必需品として様々な大きさや種類の物が陳列されている。
○釣りにおける釣竿の主な役割は3つ
1.仕掛けや疑似餌をより遠くにかつ正確に飛ばすための道具として機能する。
2.仕掛けにアクションを付ける為の道具。
3.魚が暴れた時に糸を引く力とは別にしなる事で魚を逃がさない役目。
昔から竿のしなり、固さ等の研究が進められ近年ではCADや物理エンジンによる設計も行われている。
……
前置きが長くなりました。どうもゲンサンです。今日は青森の凄い釣り竿職人さんを紹介します。
今回は青森市丸山に釣竿工房を構える、小野さんを取材させて頂きました!

こちらが、「釣り工房青森」の店主にしてロッドビルダーの小野 重雄さんです。
1か月のうち3分の1は海の上で釣りをしている、根っからの釣り好きでこのロッドビルダーの仕事もその趣味が影響して始めたものなんです^^
まさか、職人さんの工房へ足を踏み入れる事が出来るとは!
しかも大好きな釣り竿の職人さんですよ!これは期待大ですね!
二階の工房がロマンあふれすぎ

おぉ、作りかけの竿だ!!クルクルしてる!!
どうやら、乾いたコーティング材にやすりがけをしている最中だったようです。忙しいのにほんとすいません^^;

コーティング剤一つもかなり気を使っており、昔の悩みは日に当たると黄色く変色してしまう事で色味が変わってしまう事が悩みだったそうです。現在は企業秘密の製法でそういった事も改善されているとの事。
さぁ、楽しくなってきました!!
それでは、釣り竿の出来上がる工程を一通り見ていきましょう!!
ステップ① 釣竿の軸に使う素材選び

これが釣竿の基になるブランクと呼ばれる棒です。
釣り工房青森では主に昔ながらのグラス(ガラス繊維)ロッドを主に使用しています。
何故かと言うと、釣り工房さんでは船竿を主に作成しており、ムーチングのアクションといったらカーボンよりグラスですし何より独特のしなやかさがバラシを軽減しますよね。重さに関してはロッドスタンドにかけておけばまぁ何とか……(笑)

でも、ちゃんとカーボンもあるんですよ。
とはいっても軸はグラスのカーボングラスですがオールグラスより軽さは半分です。主にキャスティングの釣り用にとってあるそうでして……
主にシーバスロッド(ルアーロッド)にこのブランクを使用しています。
専門用語ばかりですいません。思わず興奮してしまいました。要約するとこだわり素材の凄い釣竿が出来上がるって事でして……
ステップ② 超難易度の「しごき塗装」
ブランクを塗装やコーティングする際、必要なのがこのしごき塗装の技術です。

ここにあるこの専用の道具(自作)を使い……

竿の下から上へ滑らせるように塗料をムラなくのせていきます。
綺麗に滑らせるために、マニキュアの除光液の原液(アセトン)を竿に塗るのが良いそうです。
んで、塗料のはいったケースを下から上へしゅーーーっと

これで塗りムラなく塗装するのは熟練の技が必要だそうです。
ステップ③ 糸巻き
この糸は主にガイドと呼ばれるパーツに巻く糸です。釣竿の輪っかを固定している部分……

そう、後ろのクリアケースの中……これ全部糸です。

釣り工房では、ロッドのカラーに合わせて様々な色を取り揃えています。一番カッコいい色を小野さんが提案しながら作成をすすめていくそうです。餅は餅屋!
ステップ④ コーティングとやすりがけ

竿を回転させながら、コーティングとやすりを繰り返して完成させます。

竿の回転台は床のアクセルペダルでオンオフさせながら丁寧に塗るのだそうです。

ここで重要になってくるのは、やすりをかけながら穴をあけたペットボトルジョウロを使い、水を少しづつかけてあげる事。そうする事でよりきれいに磨き上げる事ができます。

あと、色々試した結果……ペットボトルは三ツ矢サイダーが一番しっくりくるとか?

こうして、釣り工房の竿はユーザーさんへ渡されていきます^^

あと、工程管理や何回コーティングしたかは忘れないよう全て竿1本ごとに記録をとってあります。1本1本この工程表があるので忘れることなくハイクオリティーを保つことができるんですね!!
商品紹介!!
コブラスペシャル シーチャレンジャーシリーズ
ジギングから青物用の竿まで幅広いシリーズになっています。釣り工房青森のスタンダードモデル。


こちらはヒラメ用

カーボングラスを使用したロッド。シーバス・イナダ・タイに対応可能の万能モデルもあります。

コブラスペシャル(キングコブラ)
これは直径22mmのマグロ用ロッド。あの松方弘樹が愛用していたマグロロッドは20mmですが、それよりも2mm太い設計になっています。
これで大間に行って一攫千金ねらいにいきましょうかね^^

他にもたくさんあるのですが、紹介しきれません・・・^^;
じつは僕も持っています。

じゃーん!コブラスペシャル、小物用ロッド!!
☆これで各40000円です。ご参考までに…
これは主にメバルとカレイ専用竿です^^2つちょっと特徴をわけて作成してもらいました。
オレンジのガイドはやわ目、紫はかた目のブランクを使用しているのでアタリの感じ方が違います。ゲンサン的には固い竿が好みです。

んで、最大の特徴はこのグリップまで曲がる謎の技術。(よく見たら右に曲がってます) この企業秘密の技術であたりを察知し、大漁大量!!
さいごに
青森にもロッドビルダーがいたなんて驚きです^^
昔はシマノやダイワなんかの竿じゃないとダメだよね~とか言ってましたけど、こういう風に自分だけのオーダー品も悪くありません。
なぜなら、「竿に自分の腕を合わせる」のではなく「自分の腕にあった竿」を持つことができるからです。
本気で釣りを極めたい方にはぜひぜひオーダーメイド品をおススメいたします^^
欲しい方いらっしゃいましたら僕にこっそり連絡ください! 奥さんには内緒にしておきますので(笑)
ゲンサンでした♪